データ分析でよく使う「割り算」の本当の意味とは?標準化や正規化を例に徹底解説!

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、多くの人が何気なく使っている「割り算」について、少し掘り下げて考えてみましょう。

「え、割り算って“÷”するだけでしょ?」
そう思った方。
たしかにそうなんですが……実は、データ分析や数学の世界では、割り算には“ある特別な意味”が隠されているんです!

しかも、その本質を理解すると、「標準化」や「正規化」といった、データ処理のテクニックがグッと理解しやすくなりますよ!


そもそも「割り算」って何のためにある?

割り算とは、「比較」や「単位あたりの量」を求める操作です。

たとえば、100円のリンゴを5個買ったとします。
1個あたりの値段は? → 100 ÷ 5 = 20円ですね。

このとき「全体をいくつかに分けて、1単位の大きさを知る」というのが割り算の本質です。


データ分析における割り算の役割:標準化と正規化

データ分析の世界で割り算がどのように使われているのか、具体的に見ていきましょう!

1. 標準化(Standardization)

標準化とは、データを平均0、標準偏差1に変換することです。

数式で表すと次のようになります。

z = \frac{x - \mu}{\sigma}
(ズィーイコール、エックス引くミュー、わることのシグマ)

  • x:もとのデータ
  • μ(ミュー):平均
  • σ(シグマ):標準偏差(データの散らばりの尺度)

なぜ割るの?

平均を引いて「基準との差」を求めたあと、どれくらいのスケールでその差が大きいのか?を知るために、標準偏差で割ります。

これは、リンゴの値段が100円で平均から20円高いとしても、

  • 標準偏差が10円なら→「2倍分も高い!」
  • 標準偏差が100円なら→「そんなに高くない」

というふうに、「差の大きさ」を“単位あたり”で評価しているんです。

つまり、割り算によって比較しやすい形にしているんですね!


2. 正規化(Normalization)

正規化にはいろいろ種類がありますが、よく使われるのは「最小値と最大値を使って0〜1の範囲に変換する」方法です。

数式で表すとこうなります。

x' = \frac{x - \min(x)}{\max(x) - \min(x)}
(エックスダッシュイコール、エックス引く最小、わることの最大引く最小)

これは、「今の値が全体の中でどこに位置しているか」を相対的に示すための操作です。

ここでもやはり「割り算」が使われていますね!


割り算の意味を図で理解しよう

以下の図をご覧ください。

【図1:標準化のイメージ】

  • 横軸:データの値
  • 中央に「平均(μ)」の線
  • 離れた点が「x」
  • 平均からの距離「x - μ」
  • その距離を「σ(標準偏差)」で割る

→ 点が何σ分離れているか?が「zスコア」


【図2:正規化のイメージ】

  • 横軸:データの最小~最大範囲
  • 全体を0〜1に変換して並べる
  • もとのxが範囲のどこにいるか?

標準化と正規化の違いって?

項目標準化正規化
主な目的比較可能にするスケールをそろえる
範囲基本的に−∞〜+∞0〜1または−1〜1(種類による)
使用シーン機械学習(線形回帰など)画像データ処理など
必要な情報平均と標準偏差最小値と最大値

割り算は「単位の調整」と「相対化」の魔法!

これまで見てきたように、割り算はただの計算ではなく、

  • 単位あたりに直す
  • 比率を求める
  • どのくらい離れているかを測る

という重要な役割を果たしています。

たとえるなら、
割り算は「ものさしを変えること」なんです!

自分の身長が170cmとして、それをセンチで見れば「ちょっと高め」、でもNBAの選手と比べたら「かなり低い」かもしれない。
この「比較対象をそろえる」ために割り算を使っているのです!


最後に:次の学びへのステップ

ここまでで「割り算」の意味が単なる“÷”ではないこと、おわかりいただけたかと思います!

今後はこんなことも学んでいくとよいですよ:

  • 「共分散」と「相関係数」の違い(割り算がカギ!)
  • 「単位」を持つデータと持たないデータの扱い方
  • ログ変換と割り算の関係
  • 統計量における「基準化」の考え方

どれも、割り算の“隠れた力”を知っていれば、ぐっと理解が進みます!

それでは、次のテーマでまたお会いしましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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