データ分析初心者のための「標準化・正規化・正則化」の意味と名前の由来

こんにちは。ゆうせいです。
今回は、データ分析や機械学習の世界でよく登場する3つの似た言葉――標準化、正規化、正則化――についてお話しします。
名前が似ているうえに、どれも「データを整える」ようなイメージがありますよね。ですが、それぞれ役割も意味も異なります。さらに言えば、名前の由来にもきちんとした理由があります。
「なんとなく使ってるけど、本当のところどういう意味なんだろう?」
そんな疑問を抱えている方に向けて、やさしく、そして深く解説していきます!
1. 標準化(Standardization)とは?
名前の由来
英語の「Standard」=「標準」に由来します。
つまり、データを「標準的なスケール」に揃えることが目的なんですね。
どんなときに使うの?
たとえば、身長(cm)と体重(kg)を同時に扱うような分析をしたいとします。でも、単位が違いすぎると、重い指標のほうが機械学習モデルにとって有利に働いてしまうんです。
そんなときに使うのが「標準化」。
どうやってやるの?
データを平均0・分散1になるように変換します。

これで、どの変数も「同じ土俵」で扱えるようになります。
2. 正規化(Normalization)とは?
名前の由来
英語の「Normalize」=「正規な(normal)」状態にする、が元になっています。
「正規」とは、数学的に「きれいに揃っている状態」というイメージです。
どんなときに使うの?
例えば、値のばらつきが大きいときや、入力値のスケールが一定の範囲に収まってほしいときに使います。
最小最大正規化の例で言えば、テストの点数(0〜100点)をすべて「0〜1のスケール」に圧縮するようなイメージです。
3. 正則化(Regularization)とは?
名前の由来
英語の「Regularize」=「規則正しくする、整える」に由来します。
これは、モデルの複雑さを抑えて、過学習(オーバーフィッティング)を防ぐためのテクニックです。
どんなときに使うの?
機械学習のモデルが、訓練データにはすごくよく合うけど、未知のデータに弱い…そんな「かしこすぎるモデル」を作ってしまったとき。
正則化は、モデルがほどよく単純で、汎用性が高くなるように導いてくれます。
例え
- 標準化は「体重や身長の単位をそろえる」ようなもの。平均0、分散1に揃える。
- 正規化は「みんなを1列に並べて足並みを揃える」ようなもの。範囲(0〜1など)や長さに揃える。
- 正則化は「無駄にしゃべりすぎる人に、話を絞るよう注意する」ようなもの。モデルの複雑さに罰則を与える。
まとめと今後の学習の指針
ここまでで、
- 「標準化」はデータのスケールを整えること
- 「正規化」はデータの範囲や長さを整えること
- 「正則化」はモデルの複雑さを抑えるための制御
であることがわかりましたね。
次に学ぶべきテーマとしては、
- 「正則化の効果を可視化する」実験
- 「標準化と正規化を使い分けるケーススタディ」
- 「ハイパーパラメータλ(ラムダ)の調整方法」
などがあります。これらは、実際に手を動かして試してみることで、より深く理解できます。
引き続き、わかりやすく解説していきますので、一緒に楽しく学んでいきましょう!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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