新人エンジニア向け!NginxがApacheより優れているポイントをわかりやすく解説
こんにちは。ゆうせいです。
Webサーバーといえば「Apache」と「Nginx」が有名です。
どちらもWebサイトを動かすためのサーバーソフトですが、最近はNginx(エンジンエックス)が採用されるケースが増えています。
今日は、新人エンジニアの方に向けて「なぜNginxがApacheより選ばれるのか」を、できるだけやさしく解説します。
1. まずは役割をおさらい
Webサーバーは、ブラウザからのリクエストを受け取ってHTMLや画像、APIのレスポンスなどを返す役割があります。
例えるなら、お客さん(ブラウザ)の注文を受けて料理(Webページ)を提供するレストランのホール係です。
2. Nginxの特徴(Apacheと比較しての強み)
① 同時接続に強い
- Apache:リクエストごとに新しいプロセス(またはスレッド)を作る方式(いわゆる「ワーカー型」)
→ 接続が多くなるとメモリを多く消費し、重くなりやすい。 - Nginx:イベント駆動型(非同期処理)で、1つのプロセスが多くの接続を効率よくさばく。
→ 何千・何万の同時接続でも軽快に動く。
イメージ
- Apache:店員が注文1件につき1人ずつ担当 → 人手不足になりやすい
- Nginx:少人数でも効率的に複数の注文を同時に処理
② 静的ファイル配信が高速
HTMLや画像、CSS、JavaScriptなどの「静的ファイル」を返す処理がNginxは得意です。
内部処理が軽く、CPUやメモリの負担が少ないため、コンテンツ配信が速いです。
③ リバースプロキシ機能が優秀
Nginxはリバースプロキシ(裏側で別のサーバーへ処理を振り分ける)やロードバランサー(負荷分散)が得意です。
- 複数のアプリケーションサーバーにトラフィックを分配
- SSL終端処理も簡単に設定可能
Apacheでも可能ですが、Nginxのほうが設定がシンプルで高速に動きます。
④ メモリ効率が良い
イベント駆動型なので、同時接続が増えてもメモリ使用量の増加が緩やかです。
これは特にアクセス集中時に差が出ます。
⑤ 設定ファイルがシンプル
Apacheの.htaccess
は便利ですが、設定の自由度が高い分、複雑にもなりやすいです。
Nginxはディレクティブ(命令)が比較的シンプルで、パフォーマンスも安定します。
3. 弱点も知っておこう
.htaccess
が使えない(設定変更にはサーバーの再読み込みが必要)- 動的コンテンツ処理は別のアプリケーションサーバー(PHP-FPMなど)に委託する必要あり
- 柔軟な設定を求める場合はApacheのほうが便利なこともある
4. まとめ
NginxはApacheに比べて
- 高負荷に強い
- 静的コンテンツが速い
- リバースプロキシ・ロードバランサー機能が優秀
- メモリ効率が良い
という理由から、アクセスが多いサービスやモダンなWeb構成でよく選ばれます。
今後の学習の指針
- NginxとApacheの基本設定を両方試して違いを体感する
- Nginxで静的ファイル配信とPHP-FPM連携を設定してみる
- リバースプロキシ・ロードバランサー構成を小規模で構築してみる
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投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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