【新人エンジニア必見】なぜ仕事はギリギリに?パーキンソンの法則を理解して時間を支配する方法

こんにちは。ゆうせいです。

突然ですが、あなたは夏休みの宿題を最終日に慌てて終わらせていたタイプではありませんでしたか?あるいは、1週間も期間があったはずの簡単なタスクが、なぜか締め切りギリギリになってしまった…なんて経験、ありませんか?

もし「あるある!」と思ったなら、それはあなたが怠惰なわけではなく、「パーキンソンの法則」という不思議な力が働いているのかもしれません。

今回は、新人エンジニアのあなたがプロジェクトをスムーズに進めるために、ぜひ知っておきたい「パーキンソンの法則」について、プロジェクトマネジメントの観点から分かりやすく解説していきますね。

パーキンソンの法則って、一体なに?

パーキンソンの法則とは、1958年にイギリスの歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則です。いくつかあるのですが、最も有名なのが第一法則。

仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

というものです。

なんだか難しく聞こえますか?大丈夫、もっと簡単に考えてみましょう。

たとえば、あなたが「簡単なボタンの表示を修正する」というタスクを任されたとします。本当は1時間もあれば終わる作業です。しかし、先輩から「締め切りは金曜日の夕方でいいよ」と言われたら、どうなるでしょうか?

「まだ火曜日だし、もう少し丁寧な実装方法を調べてみようかな…」

「水曜日に他の急ぎの仕事が入ったから、後回しにしよう」

「木曜になって、そろそろやらないと…と思いつつ、念のためもっと良いデザインがないか探してしまう」

そして金曜日の午後になって、ようやく焦り始め、結局1時間で終わらせる。こんな風に、与えられた「金曜日まで」という時間いっぱいに、無意識のうちに仕事を引き延ばしてしまった経験はありませんか?

これはまるで、風船のようなものです。小さな箱(短い時間)を与えられれば、その中で小さく膨らむだけですが、大きな箱(長い時間)を与えられると、その箱全体を埋め尽くすまでパンパンに膨らんでしまう。これが、仕事におけるパーキンソンの法則の正体なんです。

なぜ時間は膨張してしまうのか?

この法則が働いてしまう背景には、私たちの心理が大きく関係しています。

1. 「まだ時間がある」という心の余裕

最大の原因は、やはり「まだ締め切りまで時間がある」という安心感です。この安心感が、「もっと完璧にできるはずだ」「もっと他の方法も検討すべきだ」という、必ずしも必要ではない作業を生み出してしまいます。いわゆる「完璧主義の罠」ですね。

2. 精神的な負担の先延ばし

仕事に取り掛かるには、「よし、やるぞ!」という一種のエネルギーが必要です。時間に余裕があると、「そのエネルギーを使うのは、もう少し後でもいいや」と考えてしまいがち。結果として、ギリギリまで着手を先延ばしにしてしまうのです。

プロジェクトにおけるパーキンソンの法則の危険性

この法則は、個人のタスクだけでなく、チームで動くプロジェクト全体に深刻な影響を与えます。

  • 生産性の低下: 本来1時間で終わる仕事に5日もかけていれば、その間の時間は無駄になってしまいます。チーム全体の生産性が著しく低下する原因になります。
  • プロジェクトの遅延: 一人ひとりのタスクが「膨張」を繰り返せば、当然プロジェクト全体のスケジュールは遅れていきます。一つの遅れが、次の工程を担当する他のメンバーにも影響を与えてしまうのです。
  • 見積もりの形骸化: 「このタスクは3日で終わるはず」と見積もっても、与えられた期間が1週間なら1週間かかってしまう。これでは、正確なスケジュール管理などできるはずもありません。

恐ろしいですよね。この法則の存在を知らずにいると、「なぜかいつもプロジェクトが遅れる…」という悪循環から抜け出せなくなってしまいます。

パーキンソンの法則に打ち勝つための具体的な方法

では、どうすればこの強力な法則に抗い、時間を自分のコントロール下に置くことができるのでしょうか?今日から実践できる具体的な方法を3つ紹介します!

1. 仕事を細かく分解し、自分で締め切りを設定する!

与えられた大きなタスクを、そのままこなそうとしないでください。まずは、そのタスクを完了するために必要な作業を、できるだけ小さな単位に分解していきましょう。

例えば「ログイン機能の実装」というタスクなら、

  • 画面設計(1時間)
  • APIの仕様確認(2時間)
  • コーディング(4時間)
  • テストコード作成(2時間)
  • レビュー依頼(0.5時間)

のように細分化します。そして、それぞれの小さなタスクに対して「自分だけの締め切り」を設定するのです。全体の締め切りが1週間後でも、「画面設計は今日の午前中まで」と決めてしまう。

この「自己申告の締め切り」が、パーキンソンの法則が入り込む隙を与えません。

2. ポモドーロ・テクニックを使ってみる

「ポモドーロ・テクニック」という時間管理術を聞いたことがありますか?これは、

  1. 25分間、一つのタスクに超集中する
  2. 5分間の短い休憩をとる
  3. これを4回繰り返したら、15〜30分の長い休憩をとる

というシンプルなテクニックです。

「25分」という短い時間制限を設けることで、仕事が不必要に膨張するのを防ぎ、高い集中力を維持できます。騙されたと思って、一度試してみてください!

3. かかった時間を記録する

自分が分解したタスクが、実際に見積もった時間通りに終わったのか、それとも超えてしまったのかを記録する癖をつけましょう。

最初は見積もりと実際の結果が大きくズレるかもしれません。でも、それでいいんです。記録を続けることで、「この手の作業は、自分はいつも時間がかかりがちだな」「これは意外と早く終わるな」という感覚が養われます。この感覚こそが、あなたの見積もり精度を格段に向上させ、パーキンソンの法則を克服する最大の武器になります。

まとめ:時間を支配するエンジニアになろう

パーキンソンの法則は、意識していないと誰もが陥ってしまう強力な罠です。しかし、その存在を知り、今日紹介したような対策を講じることで、その影響を最小限に抑えることができます。

  • タスクを細分化し、自分で締め切りを作る
  • ポモドーロ・テクニックで集中力を高める
  • かかった時間を記録して見積もり精度を上げる

まずはこの3つから始めてみてください。

今回パーキンソンの法則を理解したあなたは、時間管理の第一歩を踏み出しました。もし、さらにプロジェクトマネジメントについて学びたくなったら、次はタスクの依存関係を可視化する「クリティカルパス」や、タスクを構造的に分解する「WBS(Work Breakdown Structure)」といった手法を学んでみると、より視野が広がるはずです。

与えられた時間に仕事を支配されるのではなく、自らの手で時間を支配する。そんな市場価値の高いエンジニアを目指して、一緒に頑張っていきましょう!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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