研修講師として「理解とは何か」を説明してみる
研修講師として「理解とは何か」を説明する方法
こんにちは、今日は「理解するとはどういうことか」というテーマを、研修の中でどのように説明すれば効果的かをお伝えします。
これは、受講者が学んだ内容を「理解した」と言える状態を目指すために非常に重要なテーマです。
では、その進め方を考えてみましょう。
1. 「理解」とは何かを明確にする
まず、研修の冒頭で「理解とはどういう状態を指すのか」を定義します。以下のポイントを順序立てて伝えると、受講者が納得しやすくなります。
- 理解の定義:
「物事の意味や目的を把握し、それを説明したり応用したりできる状態」。
ここで、「知識の暗記」と「理解」の違いを説明すると効果的です。
例:英単語を覚えただけでは「知識」であり、文章を読んで意味を推測できるようになるのが「理解」。
2. 理解の段階を示す
受講者に「理解には段階がある」ことを伝えると、自分がどこにいるかを把握しやすくなります。以下の3つの段階をスライドや図で説明してください。
- 表面的理解:単語や内容をなんとなく知るレベル。
- 例:新しい業界用語を聞いて、大まかな意味を理解する。
- 操作的理解:その知識を使って問題を解決できるレベル。
- 例:新しいシステムの操作を学び、実務で使えるようになる。
- 深い理解:その知識を他の分野に応用したり、他人に教えられるレベル。
- 例:システムの仕組みを理解し、改善提案ができる。
3. 具体例を使った説明
受講者の関心や職務に関連する具体例を使いながら、「理解」を説明します。たとえば、営業研修なら次のような例を出すとよいでしょう。
営業プロセスの例:
- 表面的理解:営業トークを覚えるだけ。
- 操作的理解:実際に顧客に話しかけ、質問に答えられる。
- 深い理解:顧客の心理やニーズを把握し、提案をカスタマイズできる。
これにより、「自分はどの段階にいるのか」「どうすれば次の段階に進めるのか」を具体的にイメージさせます。
4. 理解を深める方法を共有する
受講者が学びを「理解」に変えるためには、具体的な手法が必要です。次の3つを研修で伝えてください。
1. 繰り返しの重要性
「何度も繰り返し触れることで、内容が定着します」と伝えます。
たとえば、同じ業務手順を繰り返し練習することで、自然と理解が深まる例を挙げます。
2. 他人に教えることの効果
「人に教えられるようになることが深い理解の証拠です」と説明します。研修中にグループディスカッションやペアでの解説練習を取り入れるとよいでしょう。
3. 実践を通じた理解
「実際にやってみることで、理解が加速します」と伝えます。研修の中でロールプレイやケーススタディを取り入れ、具体的な場面での練習を行います。
5. 理解の障害を取り除く工夫をする
理解を妨げる要因についても触れると、受講者が「なぜわからないのか」を自覚しやすくなります。
主な障害
- 前提知識が不足している:基礎的な情報を提供します。
- 説明が抽象的すぎる:具体例や視覚資料を活用します。
- 動機が弱い:学びの目的やメリットを具体的に伝えます。
6. イメージを共有する
「理解」を視覚的な例えで説明すると、より深く伝わります。
地図の例:
- 理解を「地図を描く作業」と例えます。
- 初めて訪れる街では迷うが、道を覚えればスムーズに移動できる。
- 知識も同様に、つながりを作ることで応用力が高まる。
スライドやイラストを使い、このような例えを図解して伝えましょう。
7. 研修のゴールを設定する
最後に、今回の研修を通じて目指す理解のレベルを示します。
- 表面的理解だけでなく、操作的理解や深い理解を目指すことを強調。
- 「今日学んだ内容を、実際の業務でどのように活用できるか」を考える時間を設けます。
ワークショップで定着を図る
講義だけではなく、以下のワークを取り入れると、受講者が「理解した」と感じやすくなります。
- ペアでの説明練習:新しい知識を相手に説明させる。
- ケーススタディ:学んだ内容をもとに課題を解決する。
- フィードバックセッション:お互いの理解度を確認し合う。
まとめ
「理解するとはどういうことか」を研修で伝える際には、抽象的な説明に終わらせず、段階的な学びや具体例を交えながら、実践につなげる仕組みを作ることが大切です。受講者が「自分は今どこにいるのか」「どう進めばよいのか」を明確に理解できるようサポートしていきましょう!
最後に、「学びは理解、理解は実践から始まる!」という言葉で締めると印象的です。頑張ってください!
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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