【初心者必見】スプリングブートの「Caused by」エラーを読み解く方法:初心者向け完全ガイド

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、Spring Boot(スプリングブート)を使ってWebアプリを開発しているときに出会うことが多い「Caused by」というエラーメッセージについて、丁寧に解説していきます。

特に、「Caused byって何?」と戸惑った方のために、実際のエラーの読み方や原因の見つけ方を、やさしくお伝えしていきます。


なぜSpring Bootのエラーには「Caused by」が出るのか?

「Caused by」=根本原因

JavaやSpring Bootでは、エラーが発生すると「例外(Exception)」という形で問題が報告されます。

エラーがいくつかの処理をまたいで発生することが多いため、表面的なエラーの下に「本当の原因」が隠れている場合があります。

それを明らかにするのが「Caused by(〜によって引き起こされた)」というメッセージです。

たとえば:

java.lang.IllegalStateException: Failed to load ApplicationContext
...
Caused by: org.springframework.beans.factory.BeanCreationException: Error creating bean with name 'userController'

このように表示されたとき、「ApplicationContextが読み込めなかった」というのは結果であり、実際の問題は「userControllerというBeanの生成に失敗したこと」です。


「Caused by」から原因を見抜く3ステップ

ステップ1:一番下の「Caused by」を確認する

エラーメッセージが長くても焦らないでください。一番下の「Caused by」が最も重要な手がかりです。

エラーは階層的に表示されるため、上にあるものは「そのとき何が起きたか」、下に行くほど「なぜ起きたのか」が書かれています。


ステップ2:例外の種類をチェック

「Caused by」の行には、必ずエラーの種類が書かれています。

たとえば:

Caused by: org.springframework.dao.DataIntegrityViolationException: could not execute statement


これは「データベース操作で整合性違反が起きた」という意味です。


ステップ3:スタックトレースを読んで、該当コードを探す

「Caused by」の後には、次のような行が続きます:

at com.example.repository.UserRepository.save(UserRepository.java:45)

この行を読むことで、「どのクラスの何行目で問題が発生したか」がわかります。

実際にそのファイルの45行目を見て、何が起きているか確認してみましょう。


具体例:DataIntegrityViolationException の読み解き

Caused by: org.springframework.dao.DataIntegrityViolationException: could not execute statement
at org.springframework.orm.jpa.vendor.HibernateJpaDialect.convertHibernateAccessException(HibernateJpaDialect.java:259)
...
Caused by: org.hibernate.exception.ConstraintViolationException: could not execute statement
...
Caused by: java.sql.SQLIntegrityConstraintViolationException: Duplicate entry 'test@example.com' for key 'users.email'

このエラーメッセージは、かなり典型的です。

順番に読み解いていきましょう:

  1. 一番下の SQLIntegrityConstraintViolationException が根本原因
    users テーブルの email カラムに、すでに test@example.com という値が入っていた
  2. そのために Hibernate(Springで使われているORM)が ConstraintViolationException を出した
  3. それがさらに Spring に伝わって、 DataIntegrityViolationException となって返された

つまりこのエラーは、同じメールアドレスを2回登録しようとしたために、データベースの制約(unique制約)に違反して失敗したというものです。


よく出るエラーと意味の一覧表

エラー名意味主な原因の例
NullPointerExceptionnullにアクセスオブジェクト未初期化
DataIntegrityViolationExceptionDB制約違反重複データやNULL禁止のカラムにNULL
HttpMessageNotReadableExceptionJSONの読み取り失敗リクエスト形式ミスや日付フォーマット違い
BeanCreationExceptionBeanの生成失敗コンストラクタのエラーや依存関係の不足

エラーは「謎解きゲーム」!

エラーに出会ったとき、「うわ、また赤い文字…」と落ち込んでしまうかもしれません。

でも、こう考えてみてください。

エラーメッセージは、あなたへのヒントです。

「Caused by」の一文には、「ここを見てね!」という答えが込められているのです。

ゲームで言えば、「犯人はこの人です」と指さしてくれているようなもの。ちゃんと読めれば、解決はすぐそこです!


まとめ:Caused byを見抜けば怖くない!

  • エラー文の下にある「Caused by」は、根本原因を示す
  • エラーの種類(例外クラス)を見て、問題の性質をつかもう
  • スタックトレースから、自分のコードの該当箇所を探す

この3つのステップで、エラーは怖いものではなくなります。


今後の学習の指針

  1. エラー文を読む癖をつける(焦らずスクロールして一番下を見る)
  2. エラーの例外クラスをググってみる
  3. 同じエラーが出たとき、前回の自分の対処を記録しておく

スプリングブートのエラーは慣れれば慣れるほど、自分の成長を実感できるチャンスです!

他にも読みにくいエラーがあれば、気軽に聞いてくださいね。

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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