【2026年大改革】情報処理技術者試験が変わる!新人研修への影響と講師が今やるべき対策
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニア研修を担当されている講師の皆さん、あるいは人材育成担当の皆さん。最近、経済産業省から発表された「情報処理技術者試験の抜本的な見直し」というニュースを耳にされましたでしょうか。
これ、実はただの試験変更ではありません。私たちが普段行っている新人研修のあり方を根底から覆すかもしれない、非常に大きな転換点なんです。「えっ、また試験範囲が変わるの?」と少し重たい気持ちになった方もいるかもしれませんね。
でも、大丈夫です。今回は、この制度変更が具体的にどう変わるのか、そして私たちの研修現場にどんな影響があるのかを、どこくよりもわかりやすく噛み砕いて解説します。これからの研修をどう設計すればいいか、一緒に作戦を練っていきましょう。
そもそも、何が変わるのでしょうか
まず、今回の変更の目玉を一言でいうと「DX人材を育てる試験へのシフト」です。
これまで日本のIT試験といえば、システムを作る人、つまりSIer(エスアイアー)と呼ばれるシステム開発会社の人たちが受けるイメージが強かったですよね。しかし、これからは違います。「あらゆる業界でデジタル技術を使ってビジネスを変革できる人」を育てようとしているのです。
具体的に、高校生でもわかるように例えてみましょう。これまでは「おいしい料理(システム)を作る技術」を問う試験でした。しかしこれからは、「お客さんが喜ぶメニューを考え、お店の経営まで良くする技術」まで問われるようになる、というイメージです。料理の腕だけでは足りなくなるんですね。
変更のポイントは大きく3つあります。
1. 試験区分がガラッと変わります
2027年度を目処に、今の複雑な試験区分が整理されます。「マネジメント・監査」「データ・AI」「システム」という3つの大きな領域に再編される予定です。
ここで注目なのが、新しくできる予定の「データマネジメント試験」と「デザインマネジメント試験」です。
データマネジメントとは、会社の中に溢れているデータをきれいに整理して、使える状態にするスキルのこと。ゴミ屋敷のようなデータ状態では、AIも使えませんからね。
デザインマネジメントとは、単に見た目を良くすることではありません。「使い手がどう感じるか」というUX(ユーザーエクスペリエンス)を大切にして、価値あるサービスを生み出すスキルのことです。
これらが国家資格になるというのは、約15年ぶりの大改革なんですよ。
2. 暗記よりも「実戦」重視へ
これまでの試験は、知識を知っているかどうかが問われがちでした。しかし新しい試験では、「その知識を使って、実際にどう問題を解決するか」が重視されます。
例えば、「この用語の意味は?」ではなく、「売上が落ちているこの店を、データを使ってどう立て直すか計画を立てなさい」といった、より実践的なシナリオ問題が増えると考えられています。
3. パソコンで受けるCBT方式が当たり前に
これまで年2回、特定の日に紙で受けていた試験が、パソコンを使ってテストセンターで受ける「CBT方式」に全面的に移行します。これにより、自分の好きなタイミングで受験できるようになります。これは受講者にとっても、スケジュール調整がしやすくなる嬉しい変更ですね。
新人研修のカリキュラムはどう変えるべき?
さて、ここからが本題です。私たち講師は、この変化に合わせて研修内容をどうアップデートすればいいのでしょうか。
まず、カリキュラムの幅を広げる必要があります。
これまでは「プログラミング」や「データベース」といった技術教育が中心だったかもしれません。しかしこれからは、それに加えて「ビジネス」や「デザイン」の要素を入れることが求められます。
例えば、ただプログラムを書く演習ではなく、「このアプリを使うユーザーはどんな人で、どんな不便を解消したいのか?」を考えさせる時間を設けましょう。新設されるデザインマネジメントの視点ですね。
また、データ活用の基礎も必須になります。文系出身のエンジニアであっても、データをどう扱い、どうビジネスに活かすかという「データリテラシー」は、読み書きそろばんと同じくらい重要なスキルになります。これを研修の早い段階で組み込むことが大切です。
教材や演習も見直しが必要です
教科書を読んで覚えるだけの研修は、もう卒業かもしれません。試験が「実践重視」になる以上、研修も実践型に変えていく必要があります。
具体的には「ケーススタディ」をたくさん取り入れましょう。
「ある企業のシステムトラブル事例」や「データ活用プロジェクトの失敗事例」などを題材にして、チームで議論し、解決策を発表する。そんなワークショップ形式の時間を増やすのがおすすめです。
また、CBT方式への対策も地味ですが重要です。
いまの若者はスマホには慣れていますが、パソコンの画面上で長文を読み、マウスで操作して解答することに慣れていない場合もあります。研修期間中に、パソコン上で模擬試験を受ける機会を作ってあげると親切ですね。
講師に求められるスキルも変わります
正直に言いますと、私たち講師にとってもこれは試練です。なぜなら、私たちが教えなければならない範囲が広がるからです。
特に「データマネジメント」や「UXデザイン」といった分野は、これまで専門外だった講師の方も多いのではないでしょうか。でも、恐れる必要はありません。私たち自身も学び直す良いチャンスです。
また、講義形式で一方的に教える「ティーチング」から、受講生の考えを引き出す「ファシリテーション」や「コーチング」へのスキルシフトも必要になります。正解のないビジネス課題に対して、受講生が自分なりの答えを導き出せるようサポートする役割が求められるのです。
企業は何を期待しているのか
企業側は、今回の試験制度の変更を「DX人材を育てるチャンス」と捉えています。
新人研修に対して、「とりあえずコードが書けるようになればいい」という期待から、「現場配属されたらすぐにDXのアイデアを出せるようになってほしい」という期待へと変わってきています。
また、国家資格がDXスキルの証明書代わりになるため、「研修終了までに〇〇試験に合格すること」といった明確な目標が設定されることも増えるでしょう。研修の成果が、資格取得数という数字でシビアに見られるようになるかもしれません。
しかし、これは逆にチャンスでもあります。研修を通じて新人が資格を取り、現場で活躍すれば、それはそのまま講師であるあなたの実績になります。「あの研修のおかげで、即戦力のDX人材が育った」と言われるような研修を目指したいですね。
まとめと今後の学習指針
ここまで、情報処理技術者試験の変更と新人研修への影響についてお話ししてきました。
ポイントを整理しましょう。
- 試験は「技術」だけでなく「ビジネス・データ・デザイン」を重視する内容へ変わる。
- 研修カリキュラムには、ユーザー視点やデータ活用の要素を組み込む必要がある。
- 講師は「教える人」から、実践を支える「ファシリテーター」への進化が求められる。
最後に、これからの学習の指針をお伝えして締めくくりたいと思います。
まずは、経済産業省やIPA(情報処理推進機構)の公式サイトをチェックしてみてください。新しい試験のシラバス(出題範囲)やサンプル問題が順次公開されるはずです。
そして、新しく追加される「データ」や「デザイン」の領域について、入門書を一冊手に取ってみてください。専門家レベルになる必要はありません。まずは「初心者にわかりやすく説明できるレベル」を目指して、知識の引き出しを増やしていきましょう。
変化は大変ですが、それは成長のきっかけでもあります。未来のDX人材を育てるために、まずは私たち自身がアップデートしていきましょう!
次の一歩として、ぜひIPAの公式サイトで「新試験区分のシラバス案」を検索して、目次だけでも眺めてみてください。具体的なキーワードが見えると、研修のイメージが湧いてきますよ。
セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修のアシスタント講師を募集しています。
投稿者プロフィール
- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。