新人エンジニアが知っておきたい「自己効力感」「自己有用感」「自己有能感」の違いと高め方

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、新人エンジニアの方にぜひ知っておいてほしい、ちょっと難しそうな言葉――「自己効力感」、「自己有用感」、「自己有能感」についてお話しします。

「なんだか似たような言葉ばかりでややこしいな…」と思っていませんか?
でも大丈夫。この記事を読み終わるころには、それぞれの意味や違いがしっかり頭に入って、自分に活かすヒントも見つかるはずです!


自己効力感とは?

「やればできる」と信じられる力

まずは自己効力感(Self-efficacy)について説明します。これはカナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念で、

「自分はこの状況で、必要な行動をうまくやり遂げられる」と思える気持ち

のことを指します。

例えば、

  • 「このバグは自分の力で直せる!」
  • 「設計レビューもきっとうまく説明できる!」

と感じられるような状態ですね。

この感覚が強い人は、新しい課題にも前向きに挑戦できます。逆に、自己効力感が低いと「どうせ無理だろうな…」と行動そのものを避けてしまう傾向があります。

数式的に言うと…

バンデューラの理論を簡単に表すと:

行動の成功確率 = 自己効力感 × モチベーション

(こうどうのせいこうかくりつ=じここうりょくかん × もちべーしょん)

どちらかがゼロなら、結果もゼロになってしまいます。


自己有用感とは?

「自分はここにいて意味がある」と思える感覚

次に自己有用感(Sense of usefulness)についてです。これは、

「自分の存在や行動が、他の人や組織にとって役に立っている」と感じられる気持ち

のことを意味します。

例えば、

  • 「自分が作ったツールでチームの作業時間が減った」
  • 「先輩に“助かったよ”って言われた」

こういった経験は、「自分は必要とされている」と実感でき、仕事への意欲にもつながります。

自己有用感が高いと…

  • チームワークを大事にする
  • 他人に貢献しようとする姿勢が育つ
  • 離職率が下がる(実際にエンゲージメント調査でも明らかです)

自己有能感とは?

「自分には能力がある」と思える確信

最後に紹介するのは自己有能感(Sense of competence)です。

こちらは、

「自分にはこのタスクをやり遂げるだけの力がある」と信じる感覚

で、スキルや知識が実際に身についているという手応えからくるものです。

自己効力感と似ていますが、違いは次の通り。

項目自己効力感自己有能感
フォーカス「やれると思えるかどうか」「能力があると実感できるか」
ベース心理的な期待スキルや成果
「自分ならできそう」「前にできたからまたできる」

関係性を図で見てみよう!

以下の図は3つの概念がどう関係しているかを簡単に表したものです。

          ┌──────────────┐
          │ 自己有能感(スキル・経験)│
          └─────┬──────┘
                ↓
          ┌──────────────┐
          │ 自己効力感(できる気がする)│
          └─────┬──────┘
                ↓
          ┌──────────────┐
          │ 自己有用感(役に立ってる)│
          └──────────────┘

順番に見ると、

  1. スキルや経験がある(自己有能感)
  2. 自信が生まれる(自己効力感)
  3. 他人に貢献できる(自己有用感)

というふうにつながっていることがわかりますね。


新人エンジニアが陥りやすい落とし穴

「自分はまだスキルも経験も足りない…」と悩む時期、ありますよね。

でも、「自己効力感」や「自己有用感」はスキルが完璧じゃなくても育てることができます!

どうやって?

以下のような習慣が役立ちます。

習慣育つ感覚解説
小さな成功体験を積む自己効力感「できた!」が自信につながります
チームの役に立つ行動をする自己有用感質問対応や資料作成なども十分な貢献です
フィードバックを受け取る自己有能感上司や先輩のコメントで成長が見える化します

今後の学習の指針

では、どこから学び始めればよいのでしょうか?以下のステップをおすすめします。

  1. 自分の強み・できたことを記録する習慣をつけてみましょう。
    → 毎日の終わりに「今日のGood Job」をメモしてみてください。
  2. 他人の成功から学ぶ方法(代理経験)を意識しましょう。
    → 先輩やロールモデルの行動を観察して、「自分にもできるかも」と思えることが大事です。
  3. 成功のイメージを具体的に描く練習をしましょう。
    → 例えば「発表がうまくいって拍手されている自分」を思い描いてみると、脳が成功パターンを学びます。

少しずつで大丈夫。
「今の自分」でもできることは必ずあります!

エンジニアとしての成長は、スキルだけでなく自分をどう捉えるかでも大きく変わります。
ぜひ、「自己効力感」「自己有用感」「自己有能感」を意識しながら、日々の仕事に取り組んでみてくださいね。

今後は、失敗との向き合い方フィードバックの受け止め方についても学んでいくと、より強い自信が育ちます。楽しみにしていてください!

私たちセイ・コンサルティング・グループでは、様々な学びを提供しております。
IT企業向け新人研修のおすすめ内容
おすすめの研修内容

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。