飛行機のパイロットの原則とは?今できる行動に集中する仕事術
未来は予測できない。でも「今の行動」はコントロールできる
私たちは日々、さまざまな不安と向き合っています。
「この仕事はうまくいくだろうか」
「お客様に評価してもらえるだろうか」
「健康診断の結果は大丈夫だろうか」
「将来はどうなるのだろうか」
未来のことを考え始めると、心配は尽きません。
しかし、どれだけ考えても未来を正確に予測することはできません。
そんなときに思い出したいのが、飛行機のパイロットの原則です。
「コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい成果に帰結させる」
少し難しく聞こえるかもしれませんね。
簡単に言えば、
「結果を心配し続けるよりも、今できる行動に集中する」
という考え方です。
仕事にも健康管理にも、人間関係にも活用できる、とても実践的な原則なのです。
パイロットは未来を予測するのではなく、現在をコントロールしている
飛行機は空を飛んでいる間、常にさまざまな影響を受けています。
- 強い向かい風
- 気流の乱れ
- 天候の変化
- 空港の混雑
- 機械のトラブル
パイロットは、そうした出来事を完全に予測することはできません。
しかし、だからといって不安に振り回されるわけでもありません。
パイロットが集中するのは、
「今、自分が操作できること」
です。
例えば、
- 計器を確認する
- 高度を調整する
- 燃料を確認する
- 進路を修正する
- チェックリストを実行する
といった行動です。
風向きを変えることはできません。しかし、操縦桿を握ることはできます。
天候を変えることはできません。しかし、安全なルートを選ぶことはできます。
人生や仕事も同じではないでしょうか。
結果と行動を分けて考える
多くの人は、結果ばかりを気にしてしまいます。
しかし、結果には自分でコントロールできるものと、できないものがあります。
例えば次のように整理できます。
| コントロールできないこと | コントロールできること |
|---|---|
| 売上 | 提案件数 |
| 評価 | 準備の質 |
| お客様の反応 | 説明の工夫 |
| 景気 | 学習や改善 |
| 天候 | 行動計画 |
| 病気の発症 | 健康習慣 |
結果ばかり見ていると不安になります。
一方で、行動に意識を向けると「今やるべきこと」が見えてきます。
パイロットの原則とは、まさにその視点なのです。
研修講師の場合:「評価」ではなく「場づくり」に集中する
研修講師の仕事にも、この考え方はとても役立ちます。
研修終了後のアンケート結果。受講生からの評価。満足度。
どれも気になりますよね。私自身も気になります(笑)
しかし、最終的な評価を決めるのは受講生です。講師が直接コントロールすることはできません。
では、何に集中すればよいのでしょうか。それは、
「良い研修になるための場づくり」
です。例えば、
- 自己紹介で受講生と交流する
- 休憩時間にも雑談する
- 楽しめるワークを取り入れる
- 受講生の名前を呼ぶ
- 自己紹介で得た情報から話を広げる
- 笑顔で接する
こうした行動は、自分でコントロールできます。
すると受講生は、
「安心して参加できそう」「発言しても大丈夫そう」
と感じやすくなります。
結果として、
- 満足度向上
- 理解度向上
- 学習効果向上
につながる可能性が高まります。
評価を追いかけるのではなく、評価につながる行動を積み重ねる。そんな姿勢が大切なのです。
健康管理の場合:「病気」ではなく「習慣」に集中する
健康管理も同じです。
病気になるかどうかを完全に予測することはできません。健康診断の結果も、必ずしも思い通りにはなりません。
しかし、健康につながる行動はコントロールできます。例えば、
- 毎日10分運動する
- 毎日7,000〜8,000歩歩く
- 夜8時以降は食べない
- 毎朝、毎夜体重を測る
- 野菜中心の食事を意識する
- 季節の野菜や果物を食べる
- 食べ過ぎない
- アルコールをコントロールする
こうした行動は、今日から始められます。
健康な身体は、一日でつくられるわけではありません。しかし、一日の習慣からつくられていきます。
未来の健康を心配するよりも、今日の習慣を整える。そんな考え方が、長い目で見ると大きな差になります。
にゃんこ先生に学ぶ「今できること」に集中する姿勢
ある日、窓辺で鳥を眺めているにゃんこがいました。
「捕まえたいニャ!」と思っていたかもしれません。
でも、鳥が飛んでくるかどうかは分かりません。どの方向へ飛ぶかも分かりません。
つまり、結果はコントロールできないのです。
それでも、にゃんこは、
- 静かに待つ
- 姿勢を低くする
- タイミングを見る
という行動を続けます。
そして結果は……鳥が逃げる。
逃げるんかい!(笑)
それでも、にゃんこは落ち込みません。また日なたで昼寝をして、次のチャンスを待ちます。
なんだか人生の達人のようですね。
私たちも、不確実な未来に悩み続けるより、今できる行動を積み重ねる方が良さそうです。
不安になったときに自分へ問いかけたいこと
仕事でも人生でも、不安になることはあります。
そんなときは、自分自身に問いかけてみてください。
「その結果は本当に自分でコントロールできるだろうか?」
もしコントロールできないなら、悩み続けても状況は変わりません。
一方で、
- 準備する
- 学ぶ
- 改善する
- 声をかける
- 笑顔で接する
といった行動なら、自分で選べます。
不安を抱えたまま立ち止まるのではなく、不安を行動へ変えていく。それがパイロットの原則の本質ではないでしょうか。
まとめ
飛行機のパイロットは、未来を完璧に予測して飛んでいるわけではありません。
風や天候など、自分では変えられない条件の中で、今できる操作を積み重ねながら目的地へ向かっています。
私たちの仕事や人生も同じです。
結果はコントロールできません。しかし、結果につながる行動はコントロールできます。
研修講師なら、評価そのものではなく、安心して学べる場づくりに集中する。
健康管理なら、病気になるかどうかを心配し続けるのではなく、日々の習慣を整える。
大切なのは、未来への不安に振り回されることではなく、今できる最善の行動を選ぶことです。
人生という長いフライトでは、予想外の風が吹くこともあります。
それでも進路修正を繰り返しながら飛び続ければ、目的地に近づいていくことはできます。
ぜひ今日から、自分自身に問いかけてみてください。
「今、自分がコントロールできる行動は何だろう?」
その問いが、仕事にも人生にも、大きな変化をもたらしてくれるはずです。
今後は、「影響の輪と関心の輪(7つの習慣)」「プロセス思考」「習慣化の技術」「レジリエンス(回復力)」について学ぶと、パイロットの原則をさらに実践しやすくなるでしょう。✈️😊
参考文献
・サラス・サラスバシー著、吉田満梨監訳『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』ダイヤモンド社、2022年
・Sarasvathy, S. D. Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertise, Edward Elgar Publishing, 2008
・Academy of Management Review, Vol.26, No.2, 2001

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投稿者プロフィール

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セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!
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