営業の本質は「売ること」ではなかった!? 『シン・営業力』から学ぶ営業の原理原則

「営業は話が上手な人が勝つ。」

そんなイメージを持っていませんか?(^^)

実は私自身も、以前はそう考えていました。

しかし、『シン・営業力』(天野眞也著)の第1章「営業する前に読んでおきたい原理原則」を読んで、その考え方が大きく変わりました。

営業とは、商品を売り込むことではありません。

相手を理解し、相手にとって価値のある提案をすること。

そんな営業の本質が、とてもわかりやすく書かれています。

今回は、第1章を読んで私が感じたことと、営業だけではなく、コミュニケーションやマネジメント、キャリアコンサルティングにも共通する考え方について紹介します。

営業とは「話す仕事」ではなく「理解する仕事」

営業という言葉を聞くと、

・商品の説明をする
・プレゼンをする
・契約を取る

そんなイメージが浮かびます。

しかし、本書では少し違う視点が示されています。

営業とは、

「相手が何を求めているのかを理解する仕事」

という考え方です。

私はこの部分を読んで、

「やっぱりそうだったんだ!」

と思いました(^^)

これまでキャリアコンサルティングや研修、マネジメントなど様々な場面で感じていたことが、本書の内容と一致していたからです。

相手を理解しないまま話を始めても、心には届きません。

まずは理解する。

その順番がとても大切なのです。

担当者は会社の代表である前に、一人の人間

特に印象に残ったのが、

「法人の中の個人」

という考え方です。

会社は利益を求めます。

しかし、実際に商談をしているのは担当者です。

つまり、

会社の利益だけを考えていては足りません。

担当者には担当者の事情があります。

例えば、

・仕事を効率化したい
・上司から評価されたい
・残業を減らしたい
・失敗したくない
・新しいことに挑戦したい

など、人それぞれです。

つまり、

会社のメリット

担当者個人のメリット

この両方が満たされる提案ほど、商談は前に進みやすくなるのです。

図で表すとこのようになります。

      会社の利益
        ↑
        |
担当者の利益 ← ●  → 商品・サービス
        |
        ↓
     顧客の課題解決

営業とは、この中心にある「●」を探す仕事とも言えそうです。

法人の「買う」は投資である

もう一つ印象に残った考え方があります。

法人が商品を購入することは、

「消費」ではなく

「投資」

であるという考え方です。

例えば、

100万円の商品を販売するとします。

価格だけを見ると高く感じます。

しかし、

導入することで年間300万円の利益が出るのであればどうでしょう?

100万円ではなく、

300万円を生み出す投資

になります。

つまり営業は、

価格を説明する仕事ではなく、

投資対効果を伝える仕事

とも言えるのです。

表で整理すると次のようになります。

価格で考える営業投資で考える営業
高い・安い将来どれだけ利益が出るか
コストを見る効果を見る
値引き競争になる価値で選ばれる

この考え方は営業だけではありません。

キャリア形成でも同じです。

資格取得も勉強も、

時間という投資です。

未来へのリターンを考えるからこそ、努力する意味が見えてきます。

営業は心理戦?それとも信頼づくり?

私は以前から、

営業は心理戦でもある

と感じていました。

もちろん、

相手を騙すという意味ではありません。

相手の気持ちを理解することです。

相手が、

何を不安に思っているのか

何を期待しているのか

何を心配しているのか

そこを理解する。

そのためには、

話す力より

聞く力

つまり

「傾聴」

が欠かせません。

傾聴とは、

相手の話を最後まで受け止め、

感情や考えまで理解しようとするコミュニケーション技法です。

営業だけではなく、

・マネジメント
・部下育成
・キャリアコンサルティング
・面談
・家族との会話

すべてに共通する基本姿勢だと改めて感じました。

営業に共通する世界の考え方

実は、この考え方は営業研究でも共通しています。

近年は「ソリューション営業」「コンサルティング営業」が重視されています。

単に商品を紹介するのではなく、

お客様の課題を一緒に解決する。

そんな営業スタイルです。

『シン・営業力』でも、

観察眼

戦略眼

情報力

という3つの力が重要だと紹介されています。

つまり、

商品中心ではなく、

お客様中心。

営業の主人公は営業マンではありません。

お客様なのです。

事例 コピー機を売る営業マン

Aさんはコピー機を説明しました。

「毎分50枚印刷できます!」

「最新モデルです!」

結果は・・・

「検討します。」

一方Bさんは、

まず質問しました。

「現在、何に一番困っていますか?」

すると、

「紙詰まりが多くて仕事が止まるんです。」

という答えが返ってきました。

そこでBさんは、

「今回の機種は紙詰まりが大幅に減ります。その結果、年間約100時間の業務時間が削減できます。」

と提案しました。

結果は契約。

違いは何でしょう?

商品を説明したのではなく、

困りごとを解決したことです。

にゃんこエピソード

我が家の猫も営業の達人です(=^・^=)

ご飯が欲しいとき、

いきなり鳴きません。

まず近くまで来ます。

足元でスリスリ。

こちらの様子をじっと観察。

「今ならお願いできそう!」

そんなタイミングを見計らって、

「ニャー♪」

その一声で、

ついついご飯をあげてしまいます(笑)

猫は相手をよく観察しています。

営業も同じですね。

話すタイミング。

相手の気持ち。

空気を読む力。

実は猫から学べる営業術は意外と多いのかもしれません(^^)

まとめ

『シン・営業力』第1章は、

営業テクニックを学ぶ本ではありませんでした。

営業の土台となる考え方を学ぶ本でした。

今回学んだポイントをまとめると、

✓ 営業は話す仕事ではなく理解する仕事

✓ 相手企業だけでなく担当者個人にもメリットを提供する

✓ 法人の購入は「投資」である

✓ 価格ではなく投資対効果を伝える

✓ 傾聴によって相手の本音を理解する

✓ 商品中心ではなくお客様中心で考える

そして私自身が最も共感したのは、

営業だけではなく、

コミュニケーション、マネジメント、キャリアコンサルティング、人材育成など、あらゆる場面で共通する原理原則だということです。

人は「理解された」と感じたときに初めて心を開きます。

その積み重ねが信頼となり、結果として営業にもつながっていくのでしょう。

派手なテクニックよりも、まずは相手を理解する姿勢。

そんな基本を改めて大切にしたいと感じた一冊でした(^^)

次回は、第2章「観察眼を磨くと見える!営業としての現在地と勝ち筋」を通して、「見える人」と「見えない人」の違いについて、一緒に学んでいきたいと思います。

参考文献

・天野眞也『シン・営業力』クロスメディア・パブリッシング、2022年。

・株式会社FAプロダクツ「『シン・営業力』発売リリース」

・JBpress Innovation Review「『シン・営業力』著者が語る、営業に欠かせない3要素」

・スターフィールド株式会社「営業の原理原則とは『シン・営業力』を読んで」

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投稿者プロフィール

田渕講師
田渕講師
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!