20代エンジニア必見!年金は死ぬまでもらえる?マクロ経済スライドの仕組みを徹底解説
こんにちは。ゆうせいです。
新人エンジニア研修の講師をしていると、技術の話だけでなく、将来のお金の話について相談されることがよくあります。みなさんは、給与明細を見るたびに引かれている厚生年金保険料を見て、こんなことを思ったことはありませんか。
「これって、本当に将来戻ってくるのかな?」
「死ぬまでもらえるって本当?」
今日は、そんな素朴な疑問と、ニュースでよく聞くけれど意味がわかりにくいマクロ経済スライドという仕組みについて、一緒に紐解いていきましょう。コードを書くときと同じように、仕組みさえ理解してしまえば、ブラックボックスではなくなりますよ!
結論:年金は死ぬまでもらえます
まず、一番気になる疑問から答えを出してしまいましょう。
老齢基礎年金(国民年金)も老齢厚生年金も、原則として生きている限りずっと受け取ることができます。
これは、年金があくまで貯金ではなく保険だからです。
みなさんが車に乗るとき、事故に備えて自動車保険に入りますよね。年金は、長生きリスクに備えるための保険なのです。
長生きはリスクになる?
リスクという言葉を使うと驚くかもしれませんが、経済的な視点で見ると、想定よりも長生きすることは、生活費が足りなくなるというリスクになり得ます。
もし年金がただの積み立て貯金だったら、90歳、100歳と長生きしたときに、貯金が尽きてしまうかもしれません。
しかし、公的年金は終身年金なので、何歳まで生きても、その月まで必ず支給されます。この安心感こそが、公的年金の最大の役割なのです。
そもそも「2階建て」ってどういうこと?
マクロ経済スライドの話に入る前に、日本の年金制度の構造をサクッとおさらいしましょう。よく2階建てと言われますね。
1階:老齢基礎年金
これは、日本に住む20歳から60歳までのすべての人が加入するものです。自営業の人も、会社員の人も、みんなここに入っています。建物の土台となる部分ですね。
2階:老齢厚生年金
これは、みなさんのような会社員や公務員が、基礎年金に上乗せして加入するものです。給与の額に応じて保険料が変わり、将来もらえる額も変わります。エンジニアとして働いているみなさんは、この2階建ての恩恵を受けられるわけです。
聞いたことはあるけど謎な言葉「マクロ経済スライド」
さて、ここからが本題です。
ニュースでマクロ経済スライド発動といった言葉を聞いたことがありませんか。なんだか必殺技みたいな名前ですが、これは私たちの将来の年金額を決める非常に重要な計算式(アルゴリズム)のことです。
仕送りの人数が減ったらどうする?
日本の年金制度は、いま働いている現役世代が納めた保険料を、そのときのお年寄りに仕送りとして渡す賦課方式を採用しています。
しかし、日本は少子高齢化が進んでいますよね。
- 仕送りをする人(現役世代)は減っていく
- 仕送りをもらう人(高齢者)は増えていく
このままだと、現役世代の負担が爆発するか、制度が破綻してしまいます。
そこで導入されたのが、マクロ経済スライドです。
簡単に言うと、その時の社会情勢に合わせて、年金の給付水準を自動的に調整する仕組みのことです。
具体的な計算イメージ
高校生でもわかるように例えると、ピザの分け方を変えるルールです。
これまでは、高齢者一人ひとりに大きなピザを配ろうとしていました。でも、ピザを焼く人(現役世代)が減ってしまったので、同じ大きさのピザを配り続けると生地が足りなくなります。
そこで、ピザのサイズを少しずつ小さくして、みんなに行き渡るように調整しましょう、というのがこの仕組みです。
では、実際にどのような計算で年金額が調整されるのか、概念を数式で見てみましょう。
本来であれば、物価や賃金が上がれば、年金額も同じだけ増えるはずです。
しかし、マクロ経済スライドが発動すると、そこからスライド調整率という数値をマイナスします。
改定率 物価や賃金の変動率
スライド調整率
たとえば、物価が2パーセント上がったとしましょう。本来なら年金も2パーセント増やしたいところです。
しかし、少子高齢化の進行度合い(スライド調整率)が仮に0.5パーセントだったとすると、実際の改定率はこうなります。
実際の改定率 2.0
0.5
1.5
つまり、物価は2パーセント上がったのに、年金は1.5パーセントしか増えないことになります。
額面上の金額は増えているので気づきにくいのですが、実質的な価値(買える物の量)は目減りしているのです。
マクロ経済スライドのメリットとデメリット
この仕組みには、明確なメリットとデメリットがあります。エンジニアのみなさんなら、トレードオフという言葉で理解しやすいかもしれません。
メリット:制度が持続可能になる
最大のメリットは、少子高齢化が進んでも年金制度自体が破綻しにくくなることです。
現役世代の負担を無限に増やすことなく、制度を次世代へつなぐための守りの機能と言えます。これにより、みなさんがおじいちゃんおばあちゃんになった時も、年金を受け取れる可能性が高まります。
デメリット:実質的な価値が下がる
先ほどの計算式の通り、物価上昇ほどには年金額が増えないため、実質的な購買力が下がります。
以前なら年金だけで買えていたものが、買えなくなる可能性があるのです。これが、年金が減ると言われる正体です。
まとめと今後のアクション
いかがでしたか。
年金は死ぬまでもらえる安心な保険である一方で、マクロ経済スライドによって、その価値は少しずつ調整されていく運命にあることがわかりましたね。
要点を整理しましょう。
- 老齢基礎年金と老齢厚生年金は、一生涯受け取れる終身年金である
- 日本の年金は、現役世代が高齢者を支える仕送り方式である
- マクロ経済スライドは、少子高齢化に合わせて年金の価値を自動調整する機能である
- これにより制度は守られるが、将来もらえる年金の実質価値は下がる可能性がある
制度が破綻しないことは素晴らしいですが、それだけで豊かな老後が約束されるわけではありません。国が最低限の生活(OSのサポート期間)を保証してくれている間に、自分だけのアプリケーション(資産)を開発しておく必要があります。
ぜひ、この機会にiDeCo(イデコ)や新NISAといった、自助努力での資産形成について調べてみてください。
公的年金という土台の上に、自分年金をどう積み上げるか。その設計図を描くのは、エンジニアであるみなさん自身です!
それでは、またお会いしましょう。
セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク
投稿者プロフィール
- 代表取締役
-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。
学生時代は趣味と実益を兼ねてリゾートバイトにいそしむ。長野県白馬村に始まり、志賀高原でのスキーインストラクター、沖縄石垣島、北海道トマム。高じてオーストラリアのゴールドコーストでツアーガイドなど。現在は野菜作りにはまっている。