Google Colabのランタイムが切れるとどうなる?

こんにちは。ゆうせいです。

みなさんは、Google Colab(グーグル・コラボ)を使っていますか?

無料でPythonのプログラムを実行できる、とても便利なサービスですよね。

でも、しばらく作業せずに放っておくと「ランタイムが切断されました」というメッセージが表示されて、困った経験はありませんか?

今回は、Google Colabのランタイムが切れるとどうなるのか、そしてその対処法について、初心者の方でもわかるように解説していきます。

Google Colabの「ランタイム」って何?


「ランタイムが切れる」という話の前に、そもそも「ランタイム」とは何なのか、まずはここから説明させてください。

簡単に言うと、ランタイムとはプログラムを実行するための環境のことです。

Google Colabでは、みなさんが書いたPythonコードを、Googleが用意してくれた特別なパソコン(サーバー)の上で動かしています。

このパソコンが、ランタイムなのです。

このランタイムは、メモリやCPU、そして時にはGPUといった計算資源を提供してくれます。

みなさんがプログラムを実行すると、Google Colabは、このランタイムに「このコードを実行してね!」とお願いして、結果を返してもらっているわけですね。

これは、みなさんが料理をするときに、ガスコンロや電子レンジといった調理器具を借りているようなイメージです。

ランタイムは、みなさんがプログラミングという料理をするための「調理器具セット」だと思ってください。

ランタイムが切れるとどうなるの?


さて、本題の「ランタイムが切れるとどうなるか?」ですが、これは大きく分けて次の3つのことが起こります。

  1. 実行結果がすべて消えてしまう
  2. アップロードしたファイルが消えてしまう
  3. インストールしたライブラリが消えてしまう

1. 実行結果がすべて消えてしまう


Google Colabでプログラムを実行すると、セルの下に計算結果やグラフなどが表示されますよね。

ランタイムが切れてしまうと、これらの実行結果はすべて消えてしまいます。

次にランタイムを再接続しても、コードを再実行しない限り、結果は表示されません。

これは、料理中に調理器具の電源が切れてしまい、それまでの調理過程がすべてリセットされてしまったようなものです。

もう一度、最初から料理を作り直す必要がありますよね。

2. アップロードしたファイルが消えてしまう


Google Colabは、パソコンからファイルをアップロードして、プログラムの中で利用することができます。

このアップロードされたファイルは、ランタイムの一時的な保存領域に置かれています。

そのため、ランタイムが切れてしまうと、これらのファイルはすべて消えてしまいます。

これは、借りた調理器具の隣に食材を置いていたのですが、調理器具を返却するタイミングで、食材も一緒に片付けられてしまった、という状況に似ています。

次に使うときには、また食材を準備するところから始めなければいけません。

3. インストールしたライブラリが消えてしまう


Pythonでは、標準で用意されていない便利な機能を追加するために、pip installというコマンドを使ってライブラリをインストールすることがあります。

これらのライブラリも、ランタイムの中にインストールされます。

ランタイムが切れてしまうと、インストールしたライブラリも消えてしまうので、次に使うときには、もう一度インストールし直す必要があります。

これは、料理の途中で特別な調味料を使ったのですが、調理器具を返却するときにその調味料もすべて持っていかれてしまったようなものです。

次に使うときには、また同じ調味料を買いに行かなければいけません。

このように、ランタイムが切れるということは、作業環境がまっさらな状態に戻ってしまう、ということなのです。

ランタイムが切れる原因と対処法


なぜ、ランタイムは切れてしまうのでしょうか?

主な原因は、一定時間操作がないことです。

Google Colabは、多くの人が利用するため、計算資源を効率的に使う必要があります。

そのため、しばらく操作がないと「この人はもう作業を終えたのかな?」と判断して、ランタイムを切断してしまうのです。

また、無料版のGoogle Colabでは、利用時間に制限があることも原因の一つです。

じゃあ、どうすればいいのでしょうか?

完璧な解決策はありませんが、できるだけ作業を効率的に進めるためのポイントをいくつかご紹介します。

1. 重要なデータはGoogle Driveに保存する


Google ColabとGoogle Driveを連携させれば、ランタイムが切れてもデータはGoogle Driveに残ります。

アップロードしたファイルや、プログラムで生成した重要なデータは、必ずGoogle Driveに保存するようにしましょう。

これは、作った料理のレシピをノートに書き留めておくようなものです。

料理そのものはなくなってしまっても、レシピがあれば、また同じ料理を作ることができますよね。

2. ライブラリのインストールはまとめて行う


プログラムの冒頭部分で、必要なライブラリのインストールをまとめて行っておきましょう。

そうすれば、ランタイムが切れても、ノートブックを上から実行するだけで、すぐに作業を再開できます。

3. 一つのセルで長時間かかる処理は避ける


もし、一つのセルで実行にとても時間がかかる処理がある場合、その処理の途中でランタイムが切れてしまうと、最初からやり直しになってしまいます。

実行結果をファイルとして保存するなど、こまめに途中経過を保存するように工夫してみましょう。

まとめ


Google Colabのランタイムが切れると、これまでの作業環境がリセットされてしまう、ということがお分かりいただけたかと思います。

特に、無料版を利用している場合は、こうした制約があることを理解しておくことが大切です。

起こること例え
実行結果がすべて消える料理の過程がリセットされる
アップロードしたファイルが消える食材が片付けられる
インストールしたライブラリが消える特別な調味料がなくなる

しかし、これらの制約を理解し、こまめな保存やGoogle Driveの活用といった工夫をすることで、効率的にGoogle Colabを使いこなすことができます。

ぜひ、この知識を活かして、Google Colabでのプログラミングを楽しんでくださいね!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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