IT技術者のためのコーチング入門

こんにちは。ゆうせいです。

今日は「IT技術者のためのコーチング入門」というお題でお話しします。IT技術者の仕事は、技術力だけでなく、人間関係やチームマネジメントも重要です。優れた技術を持っていても、コミュニケーションがうまくいかなかったり、部下や同僚を育成できなかったりすると、チーム全体の生産性が低下することもあります。

そんな時に役立つのが「コーチング」です。ただ、コーチングと聞いて「何それ?スポーツの指導?」と思う方もいるかもしれませんね。実は、コーチングは仕事の場でも非常に有効な手法で、特にIT分野ではニーズが高まっています。

では、コーチングとは何か?そして、IT技術者がどう活用できるのかを一緒に見ていきましょう!


コーチングとは?

コーチングとは、「相手の目標達成や成長をサポートするためのコミュニケーション手法」です。具体的には、相手に問いかけを行い、自分で気づき、解決策を見つけてもらうことを重視します。教える「ティーチング」や助言する「アドバイス」とは異なり、主体はあくまで「相手」なのが特徴です。

コーチングの基本的な考え方

  • 相手に答えはある:人は自分の中に解決策や可能性を持っています。それを引き出すのがコーチング。
  • 問いかけで気づきを促す:コーチ(指導者)が「どう思いますか?」「次に何をすべきだと思いますか?」と質問を投げかけます。
  • 傾聴と共感:相手の話をじっくり聞き、共感しながら会話を進めます。

IT技術者がコーチングを学ぶメリット

1. チーム全体のスキル向上

ITのプロジェクトはチームで動きますよね。チームメンバーが自ら課題を解決し、成長できるようになると、全体の生産性が向上します。コーチングを活用することで、メンバー一人ひとりの力を引き出せます。

2. リーダーシップの向上

IT技術者はマネジメントを任されることも多いです。コーチングスキルを持つと、リーダーとして部下や後輩を効果的に指導できます。ただ指示を出すだけではなく、相手の自主性を尊重しつつ指導できるのです。

3. 問題解決能力の向上

コーチングでは相手に問いかけを行うため、自分自身の「問いを立てる力」も鍛えられます。このスキルは、システム障害やバグ対応のような難しい問題を解決する際にも役立ちます。


コーチングを活用した具体的な場面

1. プロジェクトの振り返り

プロジェクト終了後の振り返りミーティングで「今回のプロジェクトで学んだことは何でしたか?」と問いかけます。この質問により、メンバーが自身の成長や改善点を自覚できます。

2. 技術スキルの育成

部下に「このコードの改善点はどこだと思いますか?」と聞くことで、単に教えるだけではなく、主体的に考える習慣をつけてもらいます。

3. キャリア相談

後輩からキャリア相談を受けた際、「5年後にどうなっていたいと思いますか?」など、未来を見据えた質問をすることで、自分で目標を設定する手助けができます。


コーチングの基本スキル

1. 傾聴

話を聞くことに徹します。「聞く」と「聴く」は違いますよね?相手の話を途中で遮らず、あいづちを打ちながら注意深く耳を傾けます。

2. 質問力

コーチングで使う質問は「オープンクエスチョン」が基本です。「はい」「いいえ」で答えられない質問を投げかけると、相手の思考を深められます。

例:「なぜそう思ったのですか?」「もし制約がなかったら、何を選びますか?」

3. フィードバック

相手が話した内容に対して適切なフィードバックを行います。たとえば、「なるほど、それは素晴らしい視点ですね。もう少し詳しく教えてもらえますか?」と、相手を肯定しつつ深掘りする形が理想的です。


IT技術者向けコーチングの具体的な進め方

ステップ1: ゴールを設定する

最初に、何を達成したいのかを明確にします。たとえば、「コードレビューを効率化する方法を見つける」「新しいツールの導入をスムーズに行う」などです。

ステップ2: 現状を把握する

現状を問いかけながら把握していきます。「今どんな状況ですか?」「何が一番の課題だと思いますか?」と質問し、現状を整理しましょう。

ステップ3: 選択肢を考える

「ほかにはどんな方法がありますか?」と問いかけて、可能性を広げます。選択肢がたくさん出てくると、最適な解決策が見つかりやすくなります。

ステップ4: アクションプランを立てる

最後に、「では、最初の一歩として何をしますか?」と具体的な行動を引き出します。行動を細かくするほど、実行しやすくなります。


よくある課題とその対策

課題1: 相手が答えを出せない

→ 解決策:質問をさらにシンプルにし、具体例を交えます。「例えば○○だったらどう思いますか?」と方向性を示してあげるのも有効です。

課題2: 自分がアドバイスをしたくなる

→ 解決策:まずは我慢しましょう。アドバイスをせずに相手の答えを引き出すのがコーチングの基本です。必要なら「今は答えを出すよりも、考える時間を大切にしてほしい」と伝えます。


コーチングをさらに学ぶためには

コーチングは一度読んだだけでは習得できません。実践を通じてスキルを磨く必要があります。以下のステップで学習を進めてみてください。

  1. 専門書を読む:「コーチングの基本」など初心者向けの本を1冊読む。
  2. トレーニングを受ける:無料または有料のオンライン講座を受講。
  3. 実践する:日々の仕事で意識してコーチングを取り入れる。
  4. 振り返る:自分のコーチングがどうだったかを振り返り、改善点を見つける。

コーチングを取り入れることで、IT技術者としてのスキルだけでなく、リーダーシップや人間力も大きく向上します。まずは小さな問いかけから始めてみてはいかがでしょうか?

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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