「発生型」と「設定型」の問題の違いを新人エンジニアに解説

こんにちは。ゆうせいです。

「発生型」と「設定型」の問題は、その性質や原因の追求方法が異なるため、それぞれに応じた対応が求められます。

ここでは、それぞれの問題の特徴や原因追求の難しさ、そしてどのようにアプローチすべきかを詳しく解説していきます。


発生型の問題とは?

特徴

発生型の問題は、すでに起こってしまった問題を指します。例えば、製品の不具合やシステム障害、業績の悪化などがこれに当たります。このような問題では、「なぜこの問題が発生したのか」を明らかにすることが目的となります。

原因追求が容易な理由

発生型の問題では、過去の出来事に基づいて原因を探ります。そのため、次のような点でデータや事実が揃いやすい傾向にあります。

  1. 過去の記録がある
  • 問題が起こる前の状況やその後の影響が記録されている場合が多いです。
  • 例:機械の稼働ログ、販売データ、品質検査の結果など。
  1. 現象が目に見える
  • 問題の具体的な結果(例えば、不具合や損失)が確認できるため、問題を構造化しやすいです。
  1. 原因追求の手法が確立されている
  • フィッシュボーンダイアグラム(魚骨図)や5Why分析など、根本原因を見つけるためのツールが活用できます。

設定型の問題とは?

特徴

設定型の問題は、未来に向けた目標や課題を設定し、それを達成するための方策を考える問題です。例えば、新商品の開発戦略や将来の市場トレンドの予測などがこれに該当します。このタイプの問題では、「どうすれば望む未来を実現できるのか」を考えることが求められます。

原因追求が難しい理由

設定型の問題は未来を対象とするため、次のような理由でデータや事実が揃いにくいです。

  1. 未来に関するデータは存在しない
  • 過去や現在のデータを基に未来を推測するしかないため、正確な事実が不足します。
  • 例:新規市場のニーズや競合の動向。
  1. 不確実性が高い
  • 経済状況や社会のトレンドなど、未来には予測不可能な要素が多く含まれます。
  1. 推測が多くなる
  • シナリオ分析や仮説立案を通じて、複数の可能性を検討する必要があります。

発生型と設定型の問題に対するアプローチの違い

発生型の問題へのアプローチ

  1. データ収集
  • 問題発生時の状況を記録したデータを集めます。
  • 例:トラブルの発生日、影響範囲、関与者。
  1. 原因の特定
  • 「5Why分析」や「魚骨図」を使い、問題の根本原因を特定します。
  1. 再発防止策の検討
  • 問題を解決した後に、同じ問題が再発しないようにするための仕組みを導入します。

設定型の問題へのアプローチ

  1. 目標の明確化
  • まず、どのような未来を目指すのかを具体的に設定します。
  • 例:新商品の市場シェアを〇%獲得する。
  1. 仮説の立案
  • 「こうすれば成功するだろう」という仮説を立てます。過去の類似事例やデータを活用します。
  1. シナリオ分析
  • 複数の未来の可能性を想定し、それぞれのシナリオに対する対応策を検討します。
  1. 柔軟な修正と適応
  • 設定型の問題では、不確実性が伴うため、計画を実行しながら適宜修正する姿勢が求められます。

比較表:発生型と設定型の問題

分類発生型の問題設定型の問題
対象過去の出来事未来の目標や課題
データの有無過去の記録が揃いやすい未来のデータが存在しないため、推測が必要
分析の手法根本原因分析(例:5Why分析、魚骨図)仮説立案、シナリオ分析、トレンド予測
不確実性比較的低い高い
解決のポイント根本原因を明確化し、再発防止策を検討仮説を立て、柔軟に計画を修正しながら進める

まとめ

発生型の問題と設定型の問題では、アプローチ方法が大きく異なります。発生型では「過去」に注目し、具体的なデータや事実に基づいて原因を特定しやすい一方、設定型では「未来」を対象とするため、不確実性が高く、推測や仮説に依存する部分が大きくなります。

どちらの問題に対しても適切に対応できるよう、状況に応じた分析手法や思考法を身につけることが大切です。これを実践することで、より効果的な問題解決が可能になります!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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