日米で発音が大きく異なるIT用語

IT用語の中には「SQL(エスキューエル)」と「シーケル」のように、日米で発音が大きく異なるものも存在します。このような発音の違いは特にデータベースやプログラミングの用語で多く見られ、聞き慣れないと混乱することもあります。以下に、日米で大きく発音が異なるIT用語をいくつかご紹介します。


1. SQL(エスキューエル) vs. SQL(シーケル)

「SQL」は、データベース管理に欠かせない言語「Structured Query Language(構造化問合せ言語)」の略称です。日本では「エスキューエル」と呼ばれることが一般的ですが、アメリカでは「シーケル」と発音することが多く、これが混乱を生む原因になっています。

  • 日本語:「エスキューエル」
  • 英語(アメリカ):「シーケル(sequel)」

なぜ「シーケル」と呼ぶのか?

「SQL」の発音が「シーケル」になったのは、初期の頃に「SEQUEL」という名前で呼ばれていたことに由来しています。「SEQUEL」は「Structured English Query Language」の略称で、その名残として「SQL」を「シーケル」と呼ぶ文化が残っています。現在も英語圏では「シーケル」という発音が一般的ですが、正式には「エスキューエル」も正しい発音です。


2. GUI(ジーユーアイ) vs. GUI(グーイー)

「GUI」は「Graphical User Interface(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)」の略称で、パソコンやスマートフォンの画面操作に関わる概念です。日本では一文字ずつ発音し「ジーユーアイ」と言いますが、英語圏では「グーイー」と発音します。

  • 日本語:「ジーユーアイ」
  • 英語:「グーイー(gooey)」

英語圏での「グーイー」発音

英語では、複数のアルファベットを組み合わせた略語を一つの単語のように発音することが多くあります。そのため「GUI」も「グーイー」と単語化されています。この発音を知っておくと、ネイティブとの会話で役立つでしょう。


3. JSON(ジェイソン) vs. JSON(ジェイソン)

「JSON」は「JavaScript Object Notation」の略称で、データの記述形式として使われます。日本でも「ジェイソン」と発音しますが、英語では「ジェイソン」と同じでも、微妙な違いがあります。英語圏では「ジェイ」に軽くアクセントを置き、続けて「ソン」と短く発音します。

  • 日本語:「ジェイソン」
  • 英語:「ジェイソン(jay-sun)」

日本と英語圏のアクセントの違い

アクセントが微妙に異なるだけですが、英語圏で「ジェイソン」と聞くと、日本語の発音とは少し違うと感じるかもしれません。こうしたアクセントの違いも、細かいながら理解しておくと発音の向上につながります。


4. HTML(エイチティーエムエル) vs. HTML(エイチティーエムエル)

「HTML」は「Hypertext Markup Language」の略で、Webページを作成するための基本的な言語です。日本語では「エイチティーエムエル」と一文字ずつ発音しますが、英語では「エイチ・ティー・エム・エル」と少し速めに発音されることが多いです。

  • 日本語:「エイチティーエムエル」
  • 英語:「エイチ・ティー・エム・エル」

英語での発音の違い

英語圏では、略語を速く一気に発音する傾向があり、「HTML」も音の流れがスムーズになるように、ひと息で発音されます。日本語では各文字をはっきりと発音するため、違いが生じます。


5. IPアドレス(アイピーアドレス) vs. IP Address(アイピーアドレス)

「IPアドレス」は「Internet Protocol Address」の略で、インターネット上の住所のような役割を持つ番号です。日本語では「アイピーアドレス」となりますが、英語では「アイピーァドレス」に近い発音で、アクセントの位置も微妙に異なります。

  • 日本語:「アイピーアドレス」
  • 英語:「アイピーァドレス(IP ad-ress)」

アクセントの違い

英語では「IP」の「P」に軽くアクセントが置かれ、「address」の「ad」にもアクセントが強調されます。英語圏で話す際にはアクセントの違いを意識すると、より自然に聞こえるでしょう。


6. OS(オーエス) vs. OS(オウエス)

「OS」は「Operating System(オペレーティングシステム)」の略です。日本語では「オーエス」と呼ばれますが、英語では「オウエス」に近い発音です。

  • 日本語:「オーエス」
  • 英語:「オウエス(oh-es)」

英語の母音の発音

「O」の発音が日本語の「オー」とは異なり、口をややすぼめた「オウ」に近い音になります。英語の「O」音の違いも、会話を円滑にするポイントです。

IT用語には、英語圏から導入された言葉が多く、日本でも英語をベースにした発音で使用されています。しかし、実際には日本とアメリカでは発音に違いがあり、これが誤解を招くこともあります。特に、英語ネイティブと会話する場面や、国際的な会議で発音が異なることでコミュニケーションに支障が出ることも。ここでは、代表的なIT用語の発音の違いを説明し、実際にどのように発音されているか理解していきましょう。


7. 「データ」 vs. “Data”

「データ」という言葉は日本語でも広く使われていますが、英語の発音は少し異なります。日本語では「データ」と発音されますが、英語では「デイタ」や「ダータ」と発音されることが一般的です。アメリカ英語では「デイタ」と発音することが多く、イギリス英語では「ダータ」と発音される傾向があります。

  • 日本語:「データ」
  • アメリカ英語:「デイタ(day-tuh)」
  • イギリス英語:「ダータ(dar-tuh)」

なぜ発音が異なるのか?

日本語は母音が明確で、音節ごとに切り分ける発音の特徴がありますが、英語は母音が曖昧になる場合もあり、抑揚が異なります。これにより、「data」も地域によって異なる発音になっています。


8. 「クラウド」 vs. “Cloud”

クラウドコンピューティング(cloud computing)はITの分野でよく耳にする用語ですが、日本と英語圏では発音が異なります。日本語では「クラウド」とカタカナ読みされるのに対し、英語では「クラウド」というよりも「クラゥド」に近い発音です。「クラ」と「ウド」の間を繋げるように発音するのがポイントです。

  • 日本語:「クラウド」
  • 英語:「クラゥド(kloud)」

発音のポイント

英語の「cloud」の発音では、口を大きく開き「kloud」と一息で発音します。日本語では「クラ」と「ウド」を分けるように言うため、少し異なる印象を受けます。ネイティブと会話するときは、つなげて発音することでより自然に聞こえるでしょう。


9. 「サーバー」 vs. “Server”

「サーバー」という言葉もITの分野では欠かせない用語です。日本語では「サーバー」と、母音を強調した音になっていますが、英語では「サーヴァ」のように「r」をしっかり巻き舌で発音します。

  • 日本語:「サーバー」
  • 英語:「サーヴァ(sur-vur)」

巻き舌の「r」の重要性

英語では「r」の発音が強調されます。この「r」音がないと、英語圏の人には別の単語に聞こえる可能性もあります。英語で「server」を発音する際には、舌を巻く「r」音に注意しましょう。


10. 「メモリ」 vs. “Memory”

メモリはコンピュータの記憶装置に関わる用語で、日本語では「メモリ」と発音します。英語でも似ていますが、微妙に異なり「メムリィ」に近い発音が使われます。

  • 日本語:「メモリ」
  • 英語:「メムリィ(mem-ree)」

英語でのアクセントの置き方

英語では最初の「me」にアクセントが置かれ、最後の「ry」が弱く発音されます。カタカナ発音では最後まで均等に音を出す傾向がありますが、英語では抑揚が異なります。


11. 「インターネット」 vs. “Internet”

「インターネット」という言葉も非常に一般的です。日本語では「インターネット」とはっきり発音されますが、アメリカ英語では「インタネッ」に近い音が使われることが多く、「r」の音が軽くなる傾向があります。

  • 日本語:「インターネット」
  • 英語:「インタネッ(in-er-net または in-tr-net)」

「t」が軽くなる理由

英語では、「t」が母音に挟まれると弱く発音される「フラッピング現象」という特徴があります。これにより、「Internet」も「インタネッ」に近い音になります。


12. 「プロジェクト」 vs. “Project”

プロジェクト管理やチーム活動でよく耳にする「プロジェクト」という単語。日本語では「プロジェクト」と発音しますが、英語では「プラジェクト」のように「o」を短く発音します。

  • 日本語:「プロジェクト」
  • 英語:「プラジェクト(prah-jekt)」

発音のアクセントの違い

英語では「pro」の部分を短く、そして「ject」の部分にアクセントを置いて発音します。日本語で発音する場合には、「プロ」に強調が置かれることが多いですが、英語では少し異なる抑揚になります。


日米の発音違いを意識するメリット

こうした発音の違いに慣れておくと、英語ネイティブとのコミュニケーションで「伝わらない」「理解されない」といった問題が減少します。また、ITの国際会議やオンラインのプレゼンテーションでも、スムーズにコミュニケーションが取れるようになるでしょう。カタカナ発音に慣れている日本人にとっては少し練習が必要ですが、練習することでより自然な発音が身につきます。

発音の学習には、音声付きの辞書アプリやオンラインリソースを活用するのも良い方法です。国際的なIT業務や会話で自信を持てるよう、ぜひ日米の発音の違いも意識してみてください。

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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