数式で「かける(×)」を省略するのはなぜ?その理由とルールをスッキリ解説!

こんにちは。ゆうせいです。

あれ、「かける」はどこへ?

学校で算数を習い始めたとき、「かける」の記号は「\times 」だと習いましたよね。

でも、中学校に入って「文字式(もじしき)」というものが出てくると、急にこの「\times 」が消えてしまうことがあります。

例えば、2 \times x ではなく 2x と書いたり、a \times b ab と書いたりします。

「えっ、なんで省略しちゃうの?」「書かないと間違えじゃないの?」と不安に思うかもしれません。

でも、これにはちゃんと理由があるんですよ。今日は、そのナゾを解き明かしていきましょう!


理由その1:見間違いを防ぐため!

省略する一番大きな理由は、アルファベットの「x (エックス)」と「\times (かける)」が、見た目そっくりだからです。

想像してみてください。

もし、2 \times x と書いた場合、特に手書きだと、どれが「エックス」でどれが「かける」なのか、見分けがつきにくくなりそうだと思いませんか?

2 \times x (に かける えっくす)

2 \times x (に えっくす えっくす?)

これでは、式が何を意味しているのか混乱してしまいますよね。

そこで、「\times 」を省略して 2x と書くルールが作られました。これなら、「2 x をかけているんだな」と、誰が見てもハッキリとわかります。


理由その2:式をスッキリさせるため

もう一つの理由は、式をできるだけシンプルに、見やすくするためです。

数学が進んでいくと、使う文字や数字が増えて、式がどんどん長くなります。

例えば、(a+b) \times (c+d) のような式が出てきます。

もし、これを全部「\times 」を省略せずに書いたら、

a \times c + a \times d + b \times c + b \times d

となります。なんだか記号だらけで、少しゴチャゴチャして見えませんか?

これを省略ルールに従って書くと、

ac + ad + bc + bd

と、とてもスッキリします。

式がシンプルになれば、どこを計算しているのか、式の構造がどうなっているのかが、ずっと分かりやすくなるんです。


「かける」を省略するルール

とはいえ、何でもかんでも省略できるわけではありません。ちゃんとルールがあります。

  • 数字と文字の間
    • 例: 3 \times a 3a
    • (ただし、文字を先にせず、数字を先に書くのが普通です。 a3 とはあまり書きません)
  • 文字と文字の間
    • 例: x \times y xy
  • 数字や文字と、(かっこ)の間
    • 例: 4 \times (a+b) 4(a+b)
    • 例: (x-y) \times 2 2(x-y) (数字は前に出します)

注意! 省略できないケース

とても大事な注意点があります。それは、「数字と数字の間」は、絶対に省略できません!

  • 例: 2 \times 3
    • これを 23 と省略したら、「にじゅうさん」になってしまい、意味がまったく変わってしまいますよね。

まとめ:省略ルールに慣れて、数学と仲良くなろう!

数式で「\times (かける)」を省略するのは、けっしてサボっているわけではなく、「x (エックス)」との見間違いを防ぎ、式全体をスッキリさせて分かりやすくするための、大切な「お約束」なんです。

最初は少し戸惑うかもしれませんが、このルールは中学・高校の数学ではずっと使っていく基本です。

まずは「2x 」や「ab 」といった形に慣れるところから始めてみてください。

省略された形に目が慣れてくると、複雑な式もパッと見て構造が理解できるようになっていきますよ!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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