エフェクチュエーションから学ぶ アイスホテルが教えてくれる「未来は作るものではなく育つもの」

「世界中から観光客が訪れるアイスホテルを作ろう!」

そんな壮大な事業計画から始まったと思っていませんか?(^^)

実は、アイスホテルの誕生はまったく違いました。

最初から完成形が見えていたわけではありません。

小さな行動を起こし、偶然の出来事を受け入れ、その経験から学び、また次の一歩を踏み出す…。

その積み重ねが、世界的な事業へと成長していったのです。

まさにエフェクチュエーションの考え方を象徴する、とても分かりやすい事例と言えるでしょう。

今回は、第8章「エフェクチュエーションの全体プロセス」のアイスホテルの事例から、私たちの仕事にも役立つヒントを一緒に考えていきましょう!

(にゃんこも、最初から高い棚へ飛び乗れるわけではありません。何度も挑戦しながら、少しずつ上達していきますよね(=^・^=))

アイスホテルは偶然から始まった

スウェーデン北部のユッカスヤルヴィという小さな町。

冬になると厳しい寒さに包まれます。

地域を盛り上げるため、氷の彫刻展が開催されました。

するとある日、宿泊施設が満室になってしまいます。

「泊まる場所がありません。」

そんな困った状況の中で、

「展示している氷の建物で寝てみたらどうでしょう?」

という発想が生まれました。

ここが大きな転機でした。

宿泊した人たちが、

「こんな体験は初めて!」

「面白い!」

と大変喜んだのです。

つまり、

「アイスホテルを作ろう」

という未来予測から始まったのではなく、

「今あるものを活かしたら面白い結果になった」

という偶然から始まったのです。

エフェクチュエーションの全体プロセスとは?

第8章では、エフェクチュエーションは一直線ではなく、次のような循環で進むことが紹介されています。

【エフェクチュエーションの流れ】

手元にある資源
   ↓
小さく行動する
   ↓
新しい出会い・偶然が起こる
   ↓
学びや気づきを得る
   ↓
資源が増える
   ↓
さらに新しい行動へ

まるで雪だるまを転がすようですね。

最初は小さな雪玉でも、転がすたびに少しずつ大きくなります。

事業も同じです。

最初から巨大な会社を目指す必要はありません。

目の前にあるものを活かし、一歩ずつ積み重ねていくことで、大きな成果へと育っていくのです。

最初から完璧な事業計画はなかった

アイスホテルの事例を読むと、とても印象的なことがあります。

最初からアイスホテルを作ろうという壮大な事業計画があったわけではないのですね。

「氷でホテルを建設し、世界中から観光客を呼び込み、ブランドを確立する。」

そんな緻密な計画書が存在したわけではありません。

むしろ、

「まずやってみる。」

「面白かった。」

「次はもう少し工夫してみよう。」

そんな試行錯誤の連続でした。

小さな行動、偶然、学習、そして次の行動。

その繰り返しが、世界的な事業を生み出したのです。

まさにエフェクチュエーションそのものですね。

経営のヒントは日常の中に隠れている

アイスホテルの事例を読んで、改めて感じたことがあります。

経営のヒントは、特別な場所だけにあるわけではありません。

日々の仕事や生活の中に数多く隠れているのです。

例えば、

・お客様の何気ない一言

・社員同士の雑談

・失敗した出来事

・クレーム

・偶然出会った人

どれも、新しい事業の種になる可能性があります。

しかし、多くの場合、

「そんなこと気にしなくていい。」

「たまたまだろう。」

と見過ごしてしまいます。

もったいないですよね(^^)

常に感性を研ぎ澄まし、純粋な目で世の中を見ることで、まだまだ多くの気づきが得られそうです。

偶然はチャンスになる

エフェクチュエーションでは「レモネードの原則」という考え方があります。

レモンをもらったら、レモネードを作ろう。

つまり、

予想外の出来事を前向きに活かそうという考え方です。

アイスホテルもまさにそうでした。

宿泊施設が足りない。

   ↓

困った。

   ↓

氷の建物で寝てもらおう。

   ↓

意外と大好評!

   ↓

毎年開催しよう。

   ↓

世界中から観光客が集まる。

失敗や偶然を敵ではなく、味方に変えているのです。

私たちの仕事にも応用できる

「でも、大企業だからできた話では?」

そう思った方もいるかもしれません。

実は違います。

例えば営業なら、

お客様との雑談から新しい商品が生まれるかもしれません。

研修講師なら、

受講者からの質問が新しい講座になるかもしれません。

飲食店なら、

常連さんの一言が人気メニューになるかもしれません。

私たちの仕事でも、偶然を前向きに活かし続けることが大切なのだと感じました。

未来は予測するだけではありません。

目の前にある出来事を活かしながら、少しずつ形になっていくものでもあるのです。

身近な事例で考えてみましょう

あるパン屋さんでは、売れ残ったパンをどうしようか悩んでいました。

そこで試しにラスクに加工して販売したところ、大人気商品になったそうです。

最初からラスク専門店を目指していたわけではありません。

偶然生まれた課題を工夫した結果、新しい商品が誕生しました。

アイスホテルと同じ流れですね。

にゃんこエピソード

ある日、にゃんこが紙袋を見つけました。

最初は恐る恐る近づきます。

前足でツンツン。

中をのぞく。

入ってみる。

すると、

「あれ?落ち着くニャ!」

その日からお気に入りの寝床になりました(=^・^=)

最初から「最高のベッドを探そう」と計画していたわけではありません。

目の前にあるものを試してみた結果、新しいお気に入りが見つかったのです。

にゃんこも、エフェクチュエーションを実践しているようですね♪

まとめ

アイスホテルは、未来を正確に予測して作られた事業ではありませんでした。

目の前にある資源を活かし、小さな行動を積み重ね、偶然を受け入れ、その経験から学び続けた結果として生まれた世界的な事業です。

第8章では、エフェクチュエーションが「計画を守ること」ではなく、「行動しながら未来を創り続けること」であると教えてくれます。

私たちも毎日の仕事の中で、

・まず小さく始める

・偶然を歓迎する

・失敗から学ぶ

・人とのつながりを大切にする

そんな姿勢を持つことで、新しい可能性が少しずつ広がっていくでしょう。

未来は、最初から完成した地図のように存在するものではありません。

一歩踏み出すたびに、新しい道が見えてきます。

次に皆さんの目の前に現れる「偶然」は、未来を大きく変えるチャンスかもしれませんね!(^^)

参考文献
・サラス・サラスバシー著、吉田満梨監訳『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』ダイヤモンド社、2022年
・Sarasvathy, S. D. Effectuation: Elements of Entrepreneurial Expertise, Edward Elgar Publishing, 2008
・Academy of Management Review, Vol.26, No.2, 2001




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投稿者プロフィール

田渕講師
田渕講師
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!