研修会社とは?注目される背景からIT企業における選び方のポイントまで詳しくご紹介

IT業界は変化が激しいため、会社の研修を充実させてそれに対応できる人材を育成していきたいけれど、なかなかうまくいかず悩んでいる人はいませんか?

この記事では、研修会社が注目される背景からIT企業における選び方のポイントまで詳しく解説します。

研修会社とは?

ビジネスマンが研修を受ける様子

研修会社とは、知識向上やスキルアップを目的に企業の従業員に対して研修サービスを提供する会社のことです。

2023年10月に株式会社矢野経済研究所が発表した企業向け研修サービス市場に関する調査の結果によると、2022年度は事業者売上高ベースで前年度比3.1%増加して5,370億円となったことがわかりました。

また2023年度は前年度比2.4%増加して5,500億円となることが予想されています。

このように研修会社の市場は少しずつ伸びてきているため、今後も活発な競争が行われて利用したい企業にとっては選択肢が増えることが予測されます。

参考:株式会社矢野経済研究所「企業向け研修サービス市場に関する調査を実施(2023年)」

研修会社が注目される背景

研修に積極的に参加する新入社員

研修会社が注目される背景には、どのようなことがあるのでしょうか。

2020年1月21日に一般社団法人日本経済団体連合会が発表した「人材育成に関するアンケート調査結果」を基に3つご紹介します。

環境変化に企業の人材育成が対応できていないため

人材育成に関するアンケート調査において、367の企業を対象に人材育成施策の環境変化への対応状況についてたずねた所、次のような結果が出ました。

回答割合
対応できている7.1%
対応できていない部分があり、すでに対応策を検討または取り組んでいる52.3%
対応できていない部分があり見直しが必要36.5%
自社の現状の把握・分析ができていない4.1%

「対応できていない部分がある」と回答した企業が88.8%もあり、自社の現状の把握・分析ができていない企業も4.1%あったのです。

目まぐるしい変化で予測困難なVUCAと呼ばれる時代になったものの、その速さに企業の人材育成がまだ追いついていないのが現状だと言えるでしょう。

一方366の企業を対象に、自律的なキャリア形成に向けて今後支援の強化が必要な対象層についてたずねた所、次のような結果だったのです。

回答割合
若年層(新入社員~30才程度)36.9%
中堅層(30才~40才程度)37.2%
ミドル管理職層(40才~50才程度)3.8%
ミドル非管理職層(40才~50才程度)5.7%
シニア管理職層(50才以上)4.4%
シニア非管理職層(50才以上)5.5%
その他6.6%

若年層と中堅層の合計が74.1%を占め、目まぐるしく変化する時代の中でも若年層と中堅層のキャリア形成を優先して支援しようとする企業が多いのがわかります。

これらのことから、研修会社は企業の変化する研修ニーズに柔軟に応えられる存在として注目を集めていると言えるでしょう。

従業員の自己啓発支援に果たす役割が大きくなっているため

人材育成に関するアンケート調査において、326の企業を対象に社員の自己啓発を支援するために各種の研修プログラムや支援制度などの情報提供を行っているかどうかをたずねた所、次のような結果でした。

回答割合
提供している88.8%
提供を検討している4.1%
特に提供していない7.1%

90%近くの企業が情報提供をし、従業員の自己啓発を支援しようとしているのがわかります。

一方、提供していると回答した企業に対して、具体的にどのような内容を提供しているかをたずねた所、次のような結果だったのです。

回答割合
社内の研修プログラム76.4%
社外の研修プログラム70.6%
利用できる経済的支援制度62.0%
利用できる休暇・休職制度24.8%
社内の好事例の展開(職場内で社員同士が学び合う事例等)19.3%
社内のキャリア相談窓口19.0%
社外のキャリア相談サービス6.4%
その他8.0%

社内の研修プログラムと社外の研修プログラムの差が5.8%しかないことから、研修会社は企業に研修プログラムを提供できる企業として存在感が増しているのがわかります。

人材育成における外部連携先の1位が研修会社であるため

人材育成に関するアンケート調査において、366の企業を対象に高度専門分野の能力開発に関する外部との連携についてたずねた所、次のような結果でした。

回答割合
外部との連携を検討している43.2%
外部との連携に取り組んでいる35.0%
自社の現状の把握・分析ができていない14.5%
基本的に社内で取り組む7.7%
基本的に社内で取り組む検討をしている7.4%
その他2.7%

高度専門分野の能力開発について外部との連携で育成しようと考える企業が78.2%、基本的に社内で取り組もうと考える企業が15.1%だったことから、外部連携の方がメリットが大きいと考える企業が多いのがわかります。

一方、外部との連携で育成しようとする企業に対して、外部連絡先はどこかをたずねた所、次のような結果だったのです。

回答割合
人材育成サービス企業55.6%
他企業(業種を問わず)51.6%
大学や高専等教育機関50.5%
他企業(同じ業界)13.3%
公的職業訓練機関6.1%
その他5.7%

他企業、大学や高専等教育機関と肩を並べていますが1位が人材育成サービス企業で、外部連携先として企業が良い印象を持っているのがわかります。

参考:一般社団法人日本経済団体連合会「労働政策、労使関係、人事賃金」

IT企業における研修会社の選び方のポイント

IT企業における研修の様子

IT企業における研修会社の選び方のポイントを3つご紹介します。

【Point1】IT業界と自社の状況に合った研修を提供している

IT企業が研修会社を選ぶなら、まずはIT業界と自社の状況に合った研修を提供している所を選びましょう。

例えばIT業界では2023年現在生成AIが注目されていますが、このような最新技術の内容をいち早く研修プログラムとして提供している研修会社を選ぶと、業界の流れを先読みした知識を従業員に身に着けてもらうことができます。

【Point2】研修のカスタマイズができる

研修会社によっては既存のプログラムやカリキュラムの中から選択する形でしか研修を行えない場合もありますが、自社の希望に沿って柔軟にプログラムやカリキュラムをカスタマイズできる研修会社も存在します。

研修内容をカスタマイズできれば、自社の人材育成における戦略や目標を踏まえた研修ができるので、人材育成の効果をより高められるでしょう。

【Point3】IT業界で実績のある講師に担当してもらえる

IT業界で実績のある講師に研修を担当してもらえるかどうかも重要なチェックポイントの1つです。

専門性が高く、経験豊富な講師に担当してもらえればそれだけ研修の質が上がるので、従業員の満足度も高まるでしょう。

Point1~3までを全て満たす研修会社の1つに、セイ・コンサルティング・グループがあります。

セイ・コンサルティング・グループはIT業界の人材育成に特化した研修会社なので、生成AIについてのプログラムがあるのはもちろん、研修のカスタマイズも可能です。

またホームページでは「講師紹介」のページを設けそれぞれの講師の実績や考え方、また受講生からいただいた感想も掲載し、自社に合った講師かどうかを検討できるようにしています。

セイ・コンサルティング・グループの講師陣に興味のある方は、次のページもごらんください。

講師紹介 - セイコンサルティンググループ (saycon.co.jp)

研修会社による研修の成功事例

真剣に研修に取り組むビジネスマンの男女

研修会社によって行われた研修の成功事例として、セイ・コンサルティング・グループで行った研修を4つご紹介します。

新人エンジニア研修

新人エンジニア研修とは60日間で新人を一人前のエンジニアに育成するのを目的とし、2023年には受講後のアンケートで参加者全員から「この研修は来年度の新人に推薦できる」という回答をいただいた研修です。

セイ・コンサルティング・グループでは新人エンジニア研修を次のような形で行いました。

項目概要
クライアント自動車販売会社グループの情報システム専門会社
従業員数約400名
支援内容3ヶ月間の新人エンジニア研修の提供とフォローアップ研修

本来新人エンジニア研修は本来60日間の研修なのをカスタマイズして3か月間とし、フォローアップ研修も実施したためクライアントのご要望に合わせてより細やかな形で研修をすることができました。

人事部長からは「成果物の出来が今までの研修会社とは桁違い」とのお褒めの言葉をいただき、受講生の皆さんからはチームで制作する流れを学び、失敗からも数多くの学びがあったと喜ばれた好事例です。

プロジェクトマネジメントのスクラム開発研修

スクラム開発研修はアジャイル開発未経験の人やアジャイル開発・スクラム開発のリスキリングが必要な人を対象にした研修で、本来3か月かかるスクラム開発の体験を1日で学べるコースです。

セイ・コンサルティング・グループではスクラム開発研修を次のような形で行いました。

項目概要
クライアント一般社団法人愛知県情報サービス産業協会さま
会員企業数約250社
支援内容2日間の研修の提供とフォローアップメールマガジンの提供

事前の理解度チェックテストから始まり座学だけではなくゲーム形式の演習を行うので、アジャイル開発やスクラム開発について何となくしか理解できていなかった受講生の方が、受講後それぞれの開発手法についてはっきりとイメージできるようになりました。

受講後のアンケートに今後の業務にすぐに役立つ、周囲の人にも内容を伝えたいといった前向きな内容を記載した受講生の方が多かった好事例です。

ネゴシエーション研修

ネゴシエーション研修は業務上交渉力や提案力を必要としている人を対象とした研修で、実際の交渉事例を基にしているのでより実務に近い形で交渉や提案、利害関係者との調整などを学べるコースです。

セイ・コンサルティング・グループではネゴシエーション研修を次のような形で行いました。

項目概要
クライアント自動車メーカーグループに属するITソリューション・カンパニーのIT中核企業
従業員数約3,000名
支援内容2日間の研修の提供とフォローアップメールマガジンの提供

ロールプレイを多く行い他の受講生ともコミュニケーションを取りながら学習を進めたため、理解度がより高まり自分の業務や後輩への指導にも活かしたいと考える人が多くなりました。

受講生が受講前に抱いていた、交渉という言葉に対する「勝負するもの」「言いくるめるもの」といったネガティブな印象が払拭され、Win-Winの結果を得られるものという印象に変わった好事例だと言えるでしょう。

セキュリティ管理の仕組み

「セキュリティ管理の仕組み」研修はIT企業で勤務する全社員を対象に、情報セキュリティの最新の脅威について理解するだけではなく、自分の職場のリスク対応計画を持ち帰ることができる研修です。

セイ・コンサルティング・グループでは「セキュリティ管理の仕組み」研修を次のような形で行いました。

項目概要
クライアント電力会社グループのシステムインテグレーター
従業員数約1,200名
支援内容研修の提供

セキュリティ対策というと何かが起こった後に対策するものとイメージしがちですが、研修を受講することでリスクへの対策を予防対策と発生後対策に分けて考えるのが重要との気づきを得た人もいたのです。

研修を受けるだけで受講生が自社のセキュリティリスクへの対応もできるようになった好事例と言えるでしょう。

まとめ

研修会社とは、知識向上やスキルアップを目的に企業の従業員に対して研修サービスを提供する会社のことですが、自社のニーズをより丁寧にくみ取ってくれる会社に研修を依頼することで、人材育成計画をスムーズに進めるのに役立ちます。

この記事も参考にして、ぜひ自社に合った研修会社を見つけてみてください。