「ポランニーのパラドックスとは?AI時代に重要な“暗黙知”の理解」
こんにちは。ゆうせいです。
今回は、AIやロボットの話題になるとよく登場する「ポランニーのパラドックス(Polanyi's Paradox)」という考え方について、できるだけわかりやすく解説していきます。
もしあなたが「え、それって難しそう…」と思ったとしても、大丈夫。高校生でも理解できるように、例えを交えながら噛み砕いて説明していきますね。
ポランニーのパラドックスとは何か?
簡単に言うと…
**「人間は、知っていることの多くを言葉にできない」**ということです。
これは、哲学者マイケル・ポランニー(Michael Polanyi)が提唱した考え方で、こんな言葉で表現されます。
We know more than we can tell.
「私たちは、語ることのできる以上のことを知っている」
つまり、私たちは何かをうまくできても、それをどうやってやっているのか、うまく説明できないことがたくさんあるんです。
実生活での例え
たとえば、自転車の乗り方を思い出してください。
最初はフラフラしていたけど、練習を重ねていつの間にか乗れるようになった、という経験があると思います。でも、誰かに「自転車ってどうやってバランス取ってるの?」と聞かれたとき、ちゃんと説明できますか?
「えーと、体をこう、なんとなく傾けて…」と曖昧になってしまうはずです。
これこそが、ポランニーのパラドックスです。
専門用語:暗黙知(あんもくち)と形式知(けいしきち)
ポランニーの考え方を理解するうえで、「暗黙知」と「形式知」という2つの専門用語を押さえておきましょう。
用語 | 意味 | 例 |
---|---|---|
暗黙知 | 言葉で説明しにくい知識 | 自転車のバランス感覚、職人の手の感覚、空気を読む力 |
形式知 | 言葉や数式で表現できる知識 | 教科書に書かれた知識、マニュアル、計算式 |
ポランニーのパラドックスは、「暗黙知がたくさんあるから、人間の知識や行動のすべてをAIに教えるのは難しい」という主張です。
なぜこの考え方が重要なのか?
AIやロボットには限界がある?
最近のAIはすごいですよね。絵を描いたり、音楽を作ったり、文章を書いたり。でも、意外なことに、人間にとって「簡単なこと」がAIにはとても難しいことがあるんです。
たとえば…
- 赤ちゃんの表情から「お腹がすいてるのかな?」と感じる
- 初対面の人との会話で空気を読む
- 転びそうになったときにとっさに手をつく
こういったことは、ルール化したり、プログラムで定義したりするのがとても難しいんです。これは「暗黙知」が関係しているからなんですね。
数式で表すと…?
実は、ポランニーのパラドックス自体は哲学的な概念なので数式では表されにくいのですが、知識を表すときによく用いられるのがこのイメージです:
知識 = 形式知 + 暗黙知
日本語で書くと…
知識(ちしき)= 形式知(けいしきち)+ 暗黙知(あんもくち)
つまり、言葉で説明できる知識だけがすべてではなく、説明できない知識も含めて“知っている”ということです。
メリットとデメリットで整理しよう
観点 | メリット | デメリット |
---|---|---|
人間 | 感覚的な判断ができる、柔軟に対応できる | 説明が難しく、再現性が低いこともある |
AI | 一度覚えたことは正確に再現できる | 暗黙知を理解・獲得するのが困難 |
今後どう学んでいけばよいか?
ポランニーのパラドックスは、AIやロボットが進化しても、「人間にしかできないこと」が残る理由を教えてくれます。
これから学ぶとよいテーマは次のようなものです。
- 暗黙知の活用:感覚や経験をどうやって他人と共有するか?
- 人間とAIの役割分担:得意・不得意をどう補い合うか?
- 創造性や共感力:言葉では説明できない“力”の磨き方
次回は「暗黙知を他者に伝えるにはどうしたらいいのか?」というテーマも取り上げてみましょうか。
それでは、また!
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投稿者プロフィール

- 代表取締役
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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