「人を注意するときに主語を『あなた』ではなく『私たち』にすると相手を傷つけにくくなる」ことを新人エンジニアに解説

こんにちは。ゆうせいです。

今日は、「人を注意するときに主語を『あなた』ではなく『私たち』にすると相手を傷つけにくくなる」というコミュニケーション術を、新人エンジニアの皆さんに分かりやすく解説します。注意をする場面では相手に改善を求める必要がありますが、伝え方によっては相手の気持ちを傷つけたり、防御的にさせたりすることがあります。この問題を避けるために、「私たち」を主語にするのはとても効果的な方法です。


なぜ「あなた」ではなく「私たち」を主語にするのか?

注意するときに「あなた」を主語にすると、相手は次のように感じることがあります:

  • 自分だけが責められている
  • 個人攻撃を受けているように感じる
  • 自分の存在そのものが否定されているように感じる

一方で、「私たち」を主語にすると、相手に次のような印象を与えることができます:

  1. チームの一員として共に成長している感覚を持てる 「私たち」という表現は、注意が個人への攻撃ではなく、チーム全体の改善を目的としていると伝えます。
  2. 責任を共有していると感じられる 注意を受ける側が孤立感を感じにくくなり、「みんなで解決していこう」というポジティブな雰囲気を生み出します。
  3. 協力的な姿勢を示せる 指摘が対立を生むのではなく、協力して問題解決を目指していることを相手に伝えられます。

「私たち」を主語にした注意の実例

具体的な例を見てみましょう。

1. 「あなた」を使った場合

「あなたがこのコードレビューで確認を怠ったせいで、バグが本番環境に残ってしまったんですよ。」

相手の感じ方:

  • 責められている感が強い
  • 「ミスをしたのは自分だけ」という孤立感を感じる

2. 「私たち」を使った場合

「私たちのコードレビューのプロセスで見落としがあって、結果的にバグが本番に残ってしまいました。次回は、チェックリストを共有して見落としを減らしていきましょう。」

相手の感じ方:

  • 問題がチーム全体の責任として扱われている
  • 改善に向けた建設的な提案が含まれており、前向きになれる

「私たち」を使った注意のポイント

1. 問題を共有する

問題の責任を相手一人に押し付けるのではなく、チーム全体の課題として扱います。

例:

×:「あなたが締切を守らなかったせいで、プロジェクトが遅れました。」 〇:「私たちでスケジュール管理をもっと徹底していかないと、次回も遅れる可能性がありますね。」


2. 改善策を一緒に考える

指摘だけで終わらず、「どうやって良くしていくか」を共に考える姿勢を示します。

例:

×:「このタスクの進め方は効率が悪かったですね。」 〇:「私たちのタスクの進め方を見直して、効率を上げる方法を一緒に考えませんか?」


3. 建設的な目標を設定する

注意が単なる批判にならないよう、次の行動にフォーカスします。

例:

×:「あなたの作業ミスが目立ちますね。」 〇:「私たちの品質管理のプロセスをもっと改善して、次回のミスを防ぎましょう。」


注意の際に避けるべきこと

1. 「あなたばかりが悪い」という印象を与えない

指摘が個人攻撃に聞こえると、相手は防御的になりやすくなります。


2. 曖昧な責任回避をしない

「私たち」を使うことで責任の所在を曖昧にしないよう、チーム全体の課題として解決策を提示することが大切です。


3. 感情的にならない

冷静なトーンで話し、感情をぶつけるような注意の仕方は避けましょう。


「私たち」を主語にすることで生まれる効果

  1. チームの一体感が高まる 問題解決をチーム全体の課題として扱うことで、仲間意識が生まれます。
  2. 注意を受け入れやすくなる 相手が責められていると感じにくいため、注意を素直に受け入れやすくなります。
  3. 前向きな改善につながる 注意が攻撃ではなく建設的な提案として伝わるため、相手も前向きに改善に取り組むことができます。

まとめ

注意をするときに「私たち」を主語にすることで、相手に安心感を与え、建設的なコミュニケーションが可能になります。エンジニアの仕事では、ミスや改善の必要が出てくることがよくありますが、この方法を使えばチーム全体の成長につなげることができます。

まずは、注意する際の主語を「私たち」に変えて、柔らかい言葉で伝える練習をしてみてください。きっと、チームの雰囲気が良くなり、相手との信頼関係も深まるはずです!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。