「人を注意するときに枕詞(まくらことば)を使うと、相手を傷つけずに注意が伝わりやすくなる」ことを新人エンジニアに解説

こんにちは。ゆうせいです。

今回は、「人を注意するときに枕詞(まくらことば)を使うと、相手を傷つけずに注意が伝わりやすくなる」というコミュニケーション術を、新人エンジニアの皆さんに解説します。

注意する場面では、直接的な言い方が相手にとってキツく感じられることがあります。枕詞を上手に使うと、注意の言葉を柔らかくし、相手に受け入れやすい形で伝えることができます。それでは、具体的な方法を見ていきましょう!


枕詞とは?

枕詞とは、本題に入る前に添える「一言」のことです。注意や指摘をする前にクッションとなる言葉を挟むことで、相手の心理的な負担を減らします。これにより、注意そのものが攻撃的に聞こえなくなり、受け入れやすくなります。


なぜ枕詞を使うと効果的なのか?

注意を直接的に伝えると、次のようなリスクがあります:

  • 相手が防御的になる
    「自分を否定された」と感じ、言い訳や反論に走る。
  • 相手が萎縮してしまう
    「怒られた」と感じ、やる気をなくしてしまう。

枕詞を使うと、これらのリスクを減らし、次のような効果が得られます:

  1. 心理的なクッション効果
    言葉の柔らかさが相手の心を和らげます。
  2. 敬意を伝えられる
    相手の努力や貢献を認めた上で注意することで、関係を壊さずに済みます。
  3. 前向きな雰囲気を作る
    注意が改善提案として伝わり、相手も前向きに受け止めやすくなります。

枕詞を使った注意の例

1. 相手をねぎらう枕詞

相手の努力や頑張りをまず認めることで、注意を受け入れる心理的な準備をしてもらいます。

例:

  • 「いつも早く対応してくれて助かっていますが、今回の件について少し確認させてください。」
  • 「最近のプロジェクトでの貢献は素晴らしいですが、この部分に改善の余地がありそうです。」

効果:

相手は「全否定されている」と感じにくく、ポジティブな気持ちで注意を聞けます。


2. 共感を示す枕詞

注意の前に共感を示すことで、相手が「一緒に考えてくれている」と感じやすくなります。

例:

  • 「タイトなスケジュールで難しいことは分かりますが、ここはもう少し精度を上げていきたいですね。」
  • 「私も最初は同じミスをしたことがありますが、こうすると解決できるかもしれません。」

効果:

相手が「一方的に責められている」と感じることがなくなり、建設的に考えやすくなります。


3. 未来志向の枕詞

注意を過去の失敗にフォーカスするのではなく、「次にどうするか」に焦点を当てます。

例:

  • 「次回からこの部分をもっと工夫できると、全体の効率が上がりそうですね。」
  • 「この経験を活かして、次はもっとスムーズに進められると思います。」

効果:

相手が「改善していこう」という前向きな姿勢になり、成長につながります。


4. 柔らかい表現を加える枕詞

注意の表現自体を柔らかくすることで、受け入れやすくします。

例:

  • 「少し気になった点があるので共有させてください。」
  • 「ちょっとした提案なんですが、この部分をこう変えるのはどうでしょうか?」

効果:

相手が攻撃的に感じることが減り、素直に耳を傾けやすくなります。


枕詞を使う際のポイント

1. 相手を責める言葉を避ける

枕詞を使っても、その後の言葉が攻撃的だと効果が薄れます。

NG例:

  • 「頑張ってくれているのは分かりますが、こんなミスは普通しないですよね?」
  • 「少し気になる点がありますが、なんでこうなったんですか?」

改善例:

  • 「頑張ってくれているのは分かりますが、ここをこうすればもっと良くなりそうですね。」
  • 「少し気になる点がありますが、どういう背景だったのか教えていただけますか?」

2. 注意だけで終わらない

枕詞を使って柔らかくした後、解決策や具体的な改善方法を提案することで、建設的な話し合いに繋げます。

例:

  • 「次回からレビューのチェックリストを使うと、見落としが減ると思います。」
  • 「ここは自動化ツールを使うと解決できそうなので、導入を検討してみませんか?」

3. 相手の立場に立つ

相手の状況や気持ちを想像し、配慮を忘れないことが大切です。

例:

  • 「忙しい中での作業で大変だったと思いますが、この部分は次回もう少し時間を取れると良いですね。」

枕詞の効果を最大化するコツ

  • 表情やトーンにも注意する
    言葉が柔らかくても、冷たいトーンや険しい表情だと逆効果になることがあります。
  • 具体性を持たせる
    抽象的すぎると「何を直せば良いのか分からない」と感じる場合があります。具体的に改善点を示しましょう。
  • 相手の反応を確認する
    相手が納得していない場合は、さらに分かりやすく説明したり、相手の意見を聞くことも重要です。

まとめ

注意をする際に枕詞を使うことで、言葉の印象を柔らかくし、相手が注意を受け入れやすくなります。相手の努力を認めたり、共感を示したりすることで、注意が攻撃的ではなく、建設的な提案として伝わります。

新人エンジニアの皆さんも、職場でのコミュニケーションに枕詞を取り入れてみてください。チームの雰囲気を良くしながら、前向きな成長につなげる一助になるはずです!

セイ・コンサルティング・グループの新人エンジニア研修のメニューへのリンク

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
この記事に間違い等ありましたらぜひお知らせください。