「叱る」って難しい?上司・部下・お客様との信頼を守る方法

こんにちは!
「叱る」って、本当に難しいですよね。相手を傷つけることなく、でもしっかりと改善を促す。それでいて信頼を守りながら伝えるなんて、まるで綱渡りのようなものです。今回はそんな「叱る」ことをテーマに、上司としての課題、部下としての成長、そしてお客様との関係まで、リアルなやり取りをもとに学べる内容になっています。また、にゃんこエピソードもありますので、楽しんでお読みくださいね。


オフィスのある日のやり取り

シーン1:新人部下のミスと上司の指導

(オフィス内)

部下:
「課長、お話しよろしいでしょうか?実は…昨日の資料、間違ったデータをクライアントに送ってしまったんです…。申し訳ありません!」

上司(課長):
「えっ、そうなのか。まずはミスに気づいて報告してくれたことは良いことだよ。でも、どこが間違っていたのか、一緒に確認してみようか。」

(上司は部下に寄り添うように資料を見ながら、間違いの部分を一緒に探す)

上司:
「なるほどね、計算ミスがあったんだね。この件、確かに困った問題だけど、君が早めに気づいてくれたから、今から対応すればまだ間に合うと思うよ。ただ、このミスはどうして起きたんだと思う?」

部下:
「急いで作業したせいで、確認が甘かったんだと思います…。気をつけます。」

上司:
「うん、これからは急いでいる時こそ、確認を徹底する癖をつけよう。次回からはこの『チェックリスト』を使って確認してみるといいよ。」

(優しく叱りながらも改善の提案を出す)

シーン2:お客様からの厳しいクレーム

(クライアントのオフィス)

お客様:
「課長さん、先日の資料、間違っていましたよ!こんな基本的なミスをされると、御社を信頼して大丈夫なのか不安になりますよ!」

(いわゆる「カスハラ」と呼ばれるほどではないが、厳しい態度)

上司:
「○○様、この度はご迷惑をおかけして申し訳ございません。早急に正しい資料をお持ちし、対応させていただきます。原因もすでに確認しておりますので、再発防止策も併せてご説明させてください。」

お客様:
「まぁ、今回の件はしっかり改善してくださいね。信頼関係を損ねるようなことがないように。」

上司:
「おっしゃる通りです。今回のご指摘を真摯に受け止め、改善に努めてまいります。」

(怒りを受け止めつつも冷静に対応し、具体的な改善策を示す)

シーン3:部下へのフォロー

(オフィス内に戻る)

上司:
「○○くん、さっきお客様には対応してきたから大丈夫だよ。ただ、今回みたいなことが続くと、相手の信頼を失うリスクがあるから、一緒に再発防止の仕組みを作っていこうね。」

部下:
「本当に申し訳ありません…。次は絶対に同じミスをしないようにします。」

上司:
「大事なのは『次にどうするか』だからね。叱られる時は辛いと思うけど、叱る側も成長してほしいから言うんだよ。一緒に頑張ろう。」

アンガーマネジメントのポイント

このストーリーでの課長の対応には、アンガーマネジメントの考え方がたくさん含まれています。

怒りの感情をコントロールすること
怒りのピークは6秒程度と言われています。その時間を冷静に耐えるだけで、感情的な言葉を避けることができます。

具体的な改善策を提示すること
ミスを責めるだけでは相手の成長につながりません。改善策やサポートを具体的に示すことで、相手の信頼を得ることができます。

感情を伝える際は、「Iメッセージ」を使うこと
「あなたはダメだ」ではなく、「私はこう思う」という形で感情を伝えると、相手は防御的にならず、建設的な会話がしやすくなります。

カスハラに触れて

今年の流行語大賞にノミネートされた「カスハラ(カスタマーハラスメント)」という言葉は、こうしたやり取りの中で非常に重要な問題として注目されています。「お客様は神様」という考え方が行き過ぎ、理不尽な要求や暴言が社会問題になっています。

しかし、顧客対応をする立場でも、自分を守る権利があります。怒りを「感情」ではなく「事実」に基づいて伝えることで、理不尽な要求に流されずに対応する力をつけることができます。

にゃんこシリーズ:教え上手なミケ先生

我が家のミケは、ちょっと変わった「叱り方」をするにゃんこです。いたずら好きな子猫のチャチャがごはんを横取りすると、ミケは最初に「じーっ」と見つめて静かに座ります。そして、ほんの少しの「フーッ」と短い音を出して牽制。驚いたチャチャはそこでピタッと動きを止めます。でもミケ先生は、その後ちゃんとチャチャが別のお皿で食べられるよう誘導していくんです。怒りの感情をむやみにぶつけるのではなく、冷静に対応する姿に、見習うべき点がたくさんある気がしますよね!

最後に

叱るという行為は、相手を責めるためではなく、成長や問題解決のために行うものです。この記事では、上司として部下を指導し、厳しいお客様への対応を通じて信頼を守るコツを紹介しました。

  • 怒りは感情的にならず、冷静にコントロールすること。
  • 改善策を提示して「次にどうするか」を意識すること。
  • 理不尽な怒り(カスハラ)には冷静な対応を心がけ、自分を守ること。

あなたもぜひ、この記事で得た知識を活かし、より良い職場環境を築いてくださいね!また、愛猫のように冷静で柔らかい心を持ちながら、時に毅然とした対応も忘れずに。これからも一緒に頑張りましょう!


当社では、アンガーマネジメントや叱り方についての研修を提供しております。

IT技術者のための叱る技術自身を知るためのアンガーマネジメント研修

投稿者プロフィール

田渕講師
田渕講師
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!