【エンジニアでもわかる!決算整理仕訳の基本と考え方】

こんにちは。ゆうせいです。
今日は、新人エンジニアの方に向けて「決算整理仕訳(けっさんせいりしわけ)」について、やさしく解説していきます。

「仕訳って、なんだか簿記っぽくてよくわからない…」
「エンジニアに関係あるの?」

そんな疑問を感じた方も多いかもしれません。でも、企業で働く以上、決算の流れお金の動きのルールを知っておくと、経理やマネージャーと円滑にやり取りできたり、プロジェクトの収支管理にも役立ちます!

では、一緒に学んでいきましょう!


決算整理仕訳とは?

決算整理仕訳=1年の締めくくりの調整

決算整理仕訳とは、会社の1年間のお金の流れを正しく記録するための「最終調整」作業です。

エンジニア的に言えば、「ログを取っていたけれど、月末や年度末にまとめてバグ取り(補正処理)をする」といったイメージです。

なぜ必要なのか?

普段の仕訳(しわけ:取引を帳簿に記録すること)では、実際にお金が動いたときに記録します。
でも、決算時には「まだお金は動いていないけど、実質的には使った/受け取った」ような取引も考慮する必要があるのです。

たとえば、

  • まだ払ってないけど、電気代は今月分として発生している
  • 1年分の保険料を先払いしているけど、今月分だけが今年の経費になる

こういった取引を「発生主義(はっせいしゅぎ)」という会計のルールに従って調整するのが、決算整理仕訳の目的です。


よく出てくる決算整理の例と仕訳

ここからは、実際によく使われる決算整理仕訳をいくつか取り上げて、図や表を交えて解説します。

1. 前払費用(まえばらいひよう)

どんなとき?

たとえば、1年分の家賃を先に払っていた場合。

何が問題?

来年の分まで「今年の費用」として計上してしまうと、今年の利益が少なく見えてしまいます。

解決策(仕訳)

「来年の分は“前払い”として、資産に振り替える」

勘定科目借方(左側)貸方(右側)
前払費用○○円
支払家賃○○円

2. 未払費用(みばらいひよう)

どんなとき?

12月分の電気代がまだ請求されていないが、使用済み。

ポイント

お金はまだ払ってないけど、「もう使った=費用が発生している」と考えます。

解決策(仕訳)

「費用を計上しつつ、あとで支払う義務も記録する」

勘定科目借方貸方
水道光熱費○○円
未払費用○○円

3. 減価償却(げんかしょうきゃく)

どんなとき?

パソコンなどの高額な資産を買ったとき。一気に費用にせず、数年にわたって分割して費用化します。

なぜ?

資産は長期間にわたって使うから、1年で全額費用にするのは不公平。

解決策(仕訳)

「資産を少しずつ費用にしていく」

勘定科目借方貸方
減価償却費○○円
減価償却累計額○○円

※「減価償却費」は費用、「減価償却累計額」は資産の価値を減らす帳簿上の項目です。


イメージ図で理解しよう!

(例)1年間の電気代と決算整理
  ┌───────────────┐
  │ 実際の支払い   │→ 1〜11月分:支払済
  └───────────────┘
      ↓
  12月分はまだ請求が来てない
      ↓
 でも、使った分は今年の費用に計上!

こうして、「発生主義」の原則に従い、実際の支払いよりも正確なタイミングで費用を認識することができるのです。


決算整理仕訳を理解するメリット

  • 経理・財務との会話がスムーズになる
  • プロジェクト収支や予算の本質がつかめる
  • 起業・副業にも強くなる(帳簿管理ができる!)

例えるなら、コードのメモリ管理を理解しているとバグを未然に防げるのと同じで、会計の整理も正確な意思決定につながります。


デメリット・注意点

  • 慣れるまで用語が難しく感じる
  • 実際の仕訳は細かいルールが多く、税理士の助けが必要な場合もある

でも大丈夫!今回は「全体像」を掴めればOKです。


数式で理解する会計の考え方

資産=負債+純資産
(会社の持ち物)=(借金)+(自分のもの)

この数式は、エンジニア的に言えばバランスの取れた状態を保つための等式
左右の数値が常に一致するように、仕訳をしていくのが会計の基本です。


今後の学習のステップ

決算整理仕訳を理解したら、次は以下の内容を学ぶと理解が深まります。

  1. 試算表・精算表の読み方
  2. 財務三表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)
  3. 会計ソフトの操作と実務フロー

最終的には、「経理とは対話できるエンジニア」になれると理想的です!


他にも知りたいテーマがあれば、ぜひ教えてくださいね。
会計も、じつはとってもロジカルでおもしろい世界です!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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