新人エンジニア向け:TRIZ(トゥリーズ)をゼロからわかりやすく解説!

こんにちは。ゆうせいです。

今回は「TRIZ(トゥリーズ)」という、ちょっと耳慣れないけれど、ものづくりや問題解決に役立つ考え方を紹介します。

新人エンジニアにとっては、設計や開発の現場で「どうやって解決すればいいのかわからない…」という壁にぶつかること、ありますよね?そんなときにTRIZが武器になります!

TRIZとは何か?

TRIZの読み方と意味

まず読み方は「トゥリーズ」と発音します。
Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadach(ロシア語)」の略で、意味は「発明的問題解決理論」。

ロシアの発明家ゲンリッヒ・アルトシュラーが考案した方法で、世界中の特許を分析して「発明や問題解決には共通パターンがある」と発見したことがきっかけです。

つまり、TRIZとは…

「過去の発明の知恵を体系化して、問題解決の近道を作る理論」なんです。


TRIZを使うと何ができるの?

TRIZは、アイデアが出ないとき、問題に行き詰まったときに役立ちます。

たとえば、こんなシーンを想像してみてください:

「製品を軽くしたいけど、丈夫さも保ちたい」
「部品の数を減らしたいけど、機能はそのままにしたい」

このように相反する要求(トレードオフ)にぶつかること、エンジニアあるあるですよね。

TRIZはこうした「一見矛盾する問題」を、過去の解決パターンを参考にして打破するための手法なんです。


TRIZの3つの基本概念

TRIZにはいくつか重要な考え方がありますが、ここでは代表的な3つに絞って説明します。

① 技術的矛盾(Technical Contradiction)

ある特性を良くすると、別の特性が悪くなるという矛盾。

例)燃費をよくするために車を軽くすると、衝突時の安全性が下がる。

→ これをどうにか「両立」できないか?を考えるのがTRIZのポイントです。

② 発明原理(40の原理)

TRIZでは、問題を解決するための「アイデアのひな型」が40個あります。

【タイトル案】
TRIZの40の発明原理を完全解説!アイデアに詰まったエンジニアのための創造力ブースター


こんにちは。ゆうせいです。

今回は、TRIZ(トゥリーズ)の中でも特に重要な要素、「40の発明原理」をわかりやすく解説していきます。

新人エンジニアの方にとって、「どうやって新しいアイデアを出せばいいの?」という悩みはつきもの。でも、発明って、全部が“ゼロからのひらめき”だと思っていませんか?

実は、多くの発明には共通するパターンがあるんです!

それをまとめたのが、この「40の発明原理」。

TRIZの40の発明原理とは?

簡単に言うと…

過去の発明や問題解決の中から、「何がどう役に立ったか」を40パターンに分類したアイデア集です。

困ったときには、この原理を1つずつ見ていけば、解決策のヒントが見えてきます。

例えるなら、「アイデアのレシピ本」みたいなもの。

料理で困ったらレシピ本を開くように、開発で困ったらこの40原理を開けばいい、というわけです!

一覧と簡易解説(前半20個)

No原理名わかりやすい説明
1分割大きなものを小さく分けるモジュール式の家具
2分離問題のある部分だけを切り離すノイズキャンセル機能
3局所性必要な場所だけを変えるノズルだけ強化された掃除機
4非対称左右や上下で構造を変える左右非対称のスニーカー
5結合2つ以上をまとめて使う多機能プリンター(印刷+コピー)
6汎用性複数の用途に対応させるスマホスタンド付き充電器
7内部追加中に新しい要素を加える二重構造のタンブラー
8反重力重さを打ち消す工夫をするドローンの浮力
9逆転逆の動作をしてみる冷却→加熱で殺菌処理
10予備作業前もって準備する自動アップデート
11予備物質すぐ使える予備の材料を備える非常用バッテリー
12等価変換状態を変えて利用する熱→電気(熱電発電)
13逆利用有害な現象を役立てるノイズ→ホワイトノイズマシン
14球面化平面を曲げることで性能UPカーブミラー
15動的性状況に応じて構造を変える折りたたみ傘
16部分・過剰作用少しだけ/多めに作用させる少量の油で炒める
17移動動かすことで便利にする可動式棚
18機械振動振動や波を活用する電動歯ブラシ
19周期作用定期的なリズムで動かす断続運転のポンプ
20継続作用連続した働きにする流水式トイレ

一覧と簡易解説(後半20個)

No原理名わかりやすい説明
21急速作用一瞬で終わらせる高速シャッター
22被害防止問題の拡大を防ぐフューズ(過電流防止)
23フィードバック結果を見て調整する自動温度調整ヒーター
24仲介物質中間の要素を入れる潤滑油で摩擦低減
25自給自足必要なものを自分で生み出すソーラーパネル搭載デバイス
26コピー本物の代わりを使うバーチャル試着
27廉価な短命品安くて使い捨てにする100円の雨ガッパ
28機械代替機械の代わりに人・生物・自然を使うバイオセンサー
29空気圧・液圧空気や液体で動かす油圧式ブレーキ
30柔らかさ硬い→柔らかいものに変えるソフト素材の梱包材
31多孔構造穴を空けて軽くするハニカム構造
32色の変化見た目を変える温度で色が変わるシール
33均一性材料・構成を統一単一素材のリサイクル製品
34廃棄と再利用使い終わったものを再利用再生プラスチック
35変化同じ製品でもバリエーションをつけるサイズ違いのTシャツ展開
36相転移状態変化を利用する凍結乾燥
37熱膨張・収縮温度差による変化を活かすサーモスタット
38酸化還元化学反応を使う燃料電池
39流体の使用空気や水の流れを使うエアーカーテン
40複合原理いくつかの原理を組み合わせるスマートフォン(多機能+多構造)

使い方のコツ

  1. 困っている課題を「技術的矛盾」として言語化
  2. 矛盾マトリクスで関連原理を調べる
  3. 40の中から合いそうなものを選ぶ
  4. アイデアに落とし込んで実験する!

矛盾マトリクス(Contradiction Matrix)

40の原理を「どの矛盾に、どの原理が効くか」でまとめた便利な表。

例えば…

向上させたい悪化してしまうおすすめの原理
強度重さ①分割 ②複数機能化 ③逆転 ④柔軟性アップ

このマトリクスを使えば、ただ闇雲にアイデアを考えるよりも、的確な発想のヒントが得られます。

TRIZのメリットとデメリット

メリット

  • 再発明ではなく「再利用」だから速い
  • 体系的なので再現性がある
  • 実際の成功例に基づいている

デメリット

  • 慣れるまで使いこなすのが難しい
  • 日本語の情報が少なめ
  • 創造性を「理論」で考えることに抵抗がある人も

数式でも考えてみよう

たとえば「機能性(F)」と「コスト(C)」のバランスを考えるとき、

F / C = 効率
(機能性わるコスト = 効率)

という式に置き換えられます。

TRIZでは、この「Fを上げたいがCが上がる」という矛盾を解決する方法を探すのです。

まとめ:TRIZは“創造力の地図”!

TRIZは「直感」や「ひらめき」だけに頼らず、過去の成功パターンから導く“創造力の地図”です。

新人エンジニアの皆さんには、ぜひ以下の順番でTRIZを学ぶことをおすすめします:

  1. 技術的矛盾の見つけ方を学ぶ
  2. 40の発明原理をざっくり理解する
  3. 矛盾マトリクスを使って練習する
  4. 実際の設計課題で試してみる

慣れると、TRIZは「悩む時間を短縮して、もっと面白い開発に集中できる」武器になります!

各原理を使った研修サービスのアイデア

①【分割原理】

モジュール式パーソナライズ研修「MySkill Blocks」

アイデア内容:

研修内容を小さなスキルモジュール(1単元15分)に分割し、
社員が自分の課題に合わせて「必要な部分だけ」受講できるサービス。

メリット:

  • 学びの無駄を削減できる
  • 業務に直結する内容だけを選べる
  • スキマ時間で受講しやすい

例え:

レゴブロックを好きな形に組み立てるように、学びをカスタマイズ!


②【局所性原理】

業務密着型OJT「Spot Focus研修」

アイデア内容:

社員個々の業務プロセスや課題に“ピンポイントで対応”する研修。
たとえば営業の提案書づくりが苦手な社員には、その部分だけ強化!

メリット:

  • 課題解決がすぐに成果に直結
  • 自分ごととして受講意欲が高まる
  • 全社一律より効率が良い

例え:

壊れた部分だけ修理する職人技!


③【予備作業原理】

事前スキル測定+準備型研修「SmartPrep」

アイデア内容:

研修前に自己診断ツールや簡易テストで準備をしてもらい、
本番ではディスカッションや応用演習に集中できるようにする。

メリット:

  • インプットとアウトプットの質が向上
  • 事前準備で知識定着が早くなる
  • オンラインと相性が良い

例え:

試合前に練習しておくと本番でパフォーマンスが上がるのと同じ!


④【動的性原理】

状況連動型研修プラン「FlexCoach」

アイデア内容:

受講者の進捗や感情、業務の状況に応じて内容やペースが変化する柔軟な研修。
AIや講師がリアルタイムで調整する。

メリット:

  • 疲れている日には軽めに、集中できる日は深掘り
  • 実践力を自然に養える
  • 1人ひとりに寄り添う感覚

例え:

車のオートマチック運転モードのように、自動でギアチェンジ!


⑤【変化原理】

マルチスタイル研修「SwitchLearn」

アイデア内容:

動画・マンガ・文章・ワークショップ形式など、同じ内容を複数のスタイルで提供
社員が自分の「学びやすい方法」を選べる。

メリット:

  • 学びの定着率が高まる
  • 多様な社員に対応できる
  • モチベーション維持に効果的

例え:

本・映画・アニメで同じストーリーを楽しむようなもの!


サービスの組み合わせで最強パッケージに!

各原理に基づくサービスは単体でも魅力的ですが、組み合わせるとさらに効果的です。

たとえば:

「SmartPrep」で予習 →「Spot Focus」で業務に直結 →「FlexCoach」で柔軟に進行 →「SwitchLearn」で好みのスタイル!

以上、新人エンジニア向け:TRIZ(トゥリーズ)をゼロからわかりやすく解説!でした。

セイ・コンサルティング・グループの問題解決研修

投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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