多角経営が進む時代に問われる、“企業らしさ”ってなんだろう?
どこまで広げる?企業の手のひら
最近、さまざまな分野に進出する企業が増えていますよね。
IT企業が飲食事業を始めたり、建設会社が教育事業に参入したり…。
まるで「できることは全部やるぞ!」という勢いです。
こうした経営スタイルを「多角経営」と呼びます。
これは、1つの分野に依存せず、複数の事業を同時に展開することで、安定性や成長を目指すやり方です。
でもちょっと待ってください。
あれもこれもやることで、「この会社って何者なの?」と感じること、ありませんか?
この“ぼんやり感”こそ、実は企業にとって大きな課題なんです。
看板が見えにくくなるリスク
多角経営は確かに魅力的です。
リスクを分散できるし、新しい市場にもチャレンジできます。
でも、事業を増やせば増やすほど、「その企業らしさ」が曖昧になってしまうことがあります。
たとえば…
- 家電メーカーが保険商品を売り始めたら?
- 飲食チェーンが不動産業に進出したら?
もちろん戦略としてはアリですが、お客さんの頭の中では「結局この会社って何屋さん?」と混乱が起きやすくなるんです。
つまり、企業のイメージやブランドの一貫性が揺らぎやすくなるということ。
この状態を放っておくと、商品やサービスに対する信頼感も少しずつ薄れてしまいます。
働く人も、自分の役割が見えなくなる?
さらに深刻なのが「中の人」、つまり働く社員の気持ちです。
企業の方向性があっちこっちに広がると、自分たちの仕事の意味や価値が分かりづらくなります。
- どんな未来をつくるために仕事をしているのか?
- 自分たちの会社は、どんな存在でいたいのか?
この「企業の原点」が見えなくなると、社員のモチベーションや一体感にも影響します。
部署によって文化が違ったり、新規事業だけ浮いてしまったり…。
企業全体として「ひとつのチーム」になれない状態が生まれやすくなるのです。
多角経営=悪、ではない!
ここで誤解しないでいただきたいのは、多角経営自体がダメということではありません。
むしろ、社会や市場が急速に変化する今の時代、柔軟に事業の幅を広げることは、とても重要です。
問題は、どこに“軸”があるのかという点です。
いくつもの事業を展開していても、「私たちはこんな価値を提供する会社です」と明確に言えるなら、そこにはブレがありません。
有名な例でいえば、ディズニーはテーマパークも映画もグッズ販売もしていますが、どれも「夢と魔法の体験を提供する」という軸に沿っていますよね。
つまり、事業の数よりも、価値観の一貫性が大切なんです。
にゃんこでたとえると…
うちの猫ミミも、家中いろんな場所で寝るのが日課。
ソファで寝たり、棚の上で寝たり、押し入れにもぐったり(笑)。
でも、必ず帰ってくるのは、いつものクッションの上。
そこが“安心できる居場所”なんです。
企業も同じで、どれだけいろんな場所(事業)に行っても、「ここが私たちの中心」と言える場所が必要なんですね。
それが、“企業のアイデンティティ”とも言えるもの。
まとめ:広げるなら、まず芯をつくろう
多角経営は、これからの時代にますます増えていくでしょう。
しかし、その中で忘れてはいけないのが、「自分たちは何者か」という問い。
- どんな価値を大切にしているのか
- 社会にどう貢献したいのか
- 社員にとってどんな会社でありたいのか
この「芯」を明確にし、それを軸に事業を広げていくことが、これからの企業に求められる姿です。
今後の学びのヒント
・会社のビジョンやミッション、改めて言葉にしてみよう
・お客さまに「この会社といえば?」と聞いてみよう
・新規事業が「自社らしさ」に合っているか確認してみよう
次回は、企業の“芯”を失わずに多角経営を成功させている企業の事例をご紹介したいと思います!
それではまた♪ (=^・ω・^)ノ゙
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投稿者プロフィール
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セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!
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