【新人向け】Spring Boot × EclipseでHTMLをデバッグする方法とブレークポイントの有効性
こんにちは。ゆうせいです。
今回は、新人エンジニアの方からよく寄せられる次の質問にお答えしていきます。
SpringBootを使ったEclipseの開発においてHTMLファイルのデバッグは可能ですか?
Eclipseのブレイクポイントは効きますか?
Spring BootとEclipseを使ったWeb開発では、JavaとHTML(特にThymeleafなどのテンプレートエンジンを使う場合)の関係が少し複雑に感じるかもしれません。
この記事では、「HTMLはどのようにデバッグできるのか?」そして「Eclipseのブレークポイントがどこに効くのか?」を、わかりやすく解説します!
HTMLはプログラムではない?そもそもの理解からスタート!
まず大前提として、「HTMLファイル」はプログラムではなく、ブラウザで表示される静的なマークアップ言語です。
つまり…
HTMLには「実行処理」や「ステップ実行」という概念がないため、
EclipseでHTMLにブレークポイントを設定して止めることはできません。
これは「説明書の紙に鉛筆で止め印をつけても、機械の動きが止まるわけではない」というのと同じです。
HTMLは、Javaプログラムが用意した表示内容を「見せる」ためのものにすぎません。
では、どうやってデバッグするの?
方法①:ブラウザの開発者ツール(DevTools)を使おう!
Google ChromeやFirefoxなどには、HTMLの構造やCSSの状態、JavaScriptの動きを確認できる開発者ツールがついています。
使い方の例(Google Chrome):
- ページを右クリックして「検証(Inspect)」を選ぶ
- 「Elements」タブでHTML構造を確認
- 「Console」タブでエラーやログをチェック
HTMLやJavaScriptのデバッグはEclipseではなく、ブラウザ上で行うのが正解です。
方法②:ThymeleafやJSPなどテンプレートエンジンの確認
Spring BootでWebアプリを作るとき、HTMLはそのままではなくテンプレートエンジン(ThymeleafやFreeMarker、JSPなど)を通してJavaから動的に内容が埋め込まれることがあります。
ここでポイント!
テンプレートに埋め込まれる変数や分岐処理などはJava側のコントローラーが作っているので、
Javaのコードにブレークポイントを設定して中身を確認することは可能です。
Eclipseのブレークポイントが効くのはどこ?
答え:Javaのクラス、特にコントローラーやサービス
たとえば、次のようなコントローラーがあったとします。
@Controller
public class HelloController {
@GetMapping("/hello")
public String hello(Model model) {
model.addAttribute("message", "こんにちは!");
return "hello"; // hello.html を表示
}
}
この場合、hello()
メソッドにブレークポイントを設定しておくと、
ブラウザで /hello
にアクセスしたときに処理が止まり、
モデルに渡す変数(messageなど)をEclipseのデバッガーで確認することができます。
よくある誤解と注意点
誤解 | 実際にはこう |
---|---|
HTMLにブレークポイントを置ける | ✕:HTMLは表示用。処理はJava |
EclipseでHTMLの変数内容が見える | ✕:変数の中身はコントローラーで確認 |
HTMLが変わらない=Javaのバグ | △:キャッシュやテンプレートの書き換え漏れの可能性も |
まとめ:何をどこでデバッグするかを整理しよう!
デバッグ対象 | デバッグ手段 |
---|---|
HTML表示内容 | ブラウザのDevTools |
データの渡し方 | Javaコントローラーにブレークポイント |
Javaのロジック | Eclipseのデバッガーでステップ実行 |
JavaScriptの動き | ブラウザのConsole・Sourcesタブ |
今後の学習の指針
- EclipseでのJavaデバッグに慣れよう(F5やF6の使い方もマスター)
- テンプレートエンジン(Thymeleafなど)の構文と動きを理解しよう
- ブラウザ開発者ツールの使い方を深掘りしよう
- 「どこで処理が行われているか?」を意識する癖をつけよう
今後の開発で「どこをどう確認すればよいか?」が感覚的にわかるようになると、
トラブルシューティングのスピードもぐんと上がります!
わからなくなったら「表示の処理がどこから始まっているのか?」を順に追ってみるところから始めましょう。焦らず、一歩ずつ経験を積んでいってくださいね。
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