推敲とは? 新人エンジニア向けに分かりやすく解説

こんにちは。ゆうせいです。
今日は「推敲(すいこう)」という言葉の由来について、新入社員の皆さんにもわかりやすくお伝えしますね。普段の仕事でも「推敲が大事だ」と言われることがあるかもしれませんが、この言葉の背景を知れば、より意識して使えるようになりますよ!


推敲の意味とその故事

まず「推敲」という言葉の意味から説明します。推敲とは、文章や考えをより良いものにするために、何度も手を加えて練り直すことです。「書き直し」や「磨き上げる」という意味に近いですね。

この言葉の由来は、中国・唐の時代に生まれたある逸話から来ています。故事成語として語り継がれている内容を簡単にご紹介します。


「推敲」の由来

唐の時代、詩人 賈島(かとう) という人物が詩を作っていました。その中の一節に「僧は月下の門を敲(たた)く」という表現がありました。ところが、「敲く」(門を叩く)で良いのか、「推す」(門を押す)の方が良いのか迷い始めます。

「月明かりの下でお坊さんが門を叩く」とするのか、
「月明かりの下でお坊さんが門を押す」とするのか――。

どちらが情景として美しいか、しっくり来るかを真剣に悩んだのです。

そして賈島がこの悩みを抱えていた時、偶然 韓愈(かんゆ) という偉い役人(当時の文人でもありました)に出会いました。賈島は自分の悩みを韓愈に相談します。すると韓愈は「敲(たたく)」の方が情景が豊かで美しいと助言をし、賈島も納得しました。

この出来事から「推す」か「敲く」かで悩んだことが、文章を練り直す「推敲」という言葉の由来となったのです。


現代における「推敲」の大切さ

この故事からもわかるように、推敲は「ただ書く」だけで終わらせず、言葉を選び、何度も考え直すことで初めて質の高い表現が生まれる、という意味を持っています。

たとえば、報告書やメールを作成する際、すぐに送るのではなく、一度読み返しながら「この表現はわかりやすいか?」「もっと相手に伝わりやすい言い方はないか?」と考え直すことで、相手にとってより良いコミュニケーションが実現できます。


推敲をする際のポイント

ここで、皆さんが文章を推敲する際に気をつけたいポイントをまとめますね。

ポイント具体例
1. 伝わりやすいか専門用語を使いすぎていないか確認する
2. 無駄な言葉はないか冗長な表現を削る
3. 論理は通っているか内容が順序立てて書かれているかチェック
4. 表現は適切か読み手の立場に立って、丁寧さや言葉遣いを見る

まとめ

推敲とは、唐の詩人「賈島」が「推す」か「敲く」かで悩んだ故事が由来になっています。現代のビジネスにおいても、文書作成やコミュニケーションには「推敲」が欠かせません。完成したつもりでも、もう一度読み返してみることが大事です。自分が書いた文章は、ひとつひとつ丁寧に磨いていきましょう!

最後に、皆さんへの問いかけです。
「最近書いたメールや報告書、推敲しましたか?」

今日から、推敲の習慣を仕事に取り入れてみてくださいね!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
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