JavaのAPIとWeb APIの違い・共通点をやさしく解説!

こんにちは。ゆうせいです。
今回は「JavaのAPIとWeb APIの共通点と相違点」についてわかりやすく解説していきます。

プログラミングの学習を進めていくと、「API(エーピーアイ)」という言葉をよく耳にするようになります。とくに混乱しやすいのが、JavaのAPIとWeb APIの違いです。どちらも「API」と呼ばれているため、同じようなものだと勘違いされがちです。

でも、実はこの2つは似ている部分もあるけれど、使われる目的や仕組みは大きく異なります

APIとは?共通の前提から

そもそも「API」とは Application Programming Interface の略で、直訳すると「アプリケーションをプログラムから操作するための接続口」といった意味になります。

たとえば…

自動販売機を想像してみてください。ボタンを押す(インターフェース)ことで、内部の仕組みに詳しくなくてもジュースが出てきますよね。
この「ボタン」の部分がAPIの役割です。開発者は、裏側の複雑な仕組みを知らなくても、APIを通して必要な処理を簡単に利用できます。


JavaのAPIとは?

Java APIの概要

Java APIとは、Javaプログラミング言語における標準ライブラリ群のことを指します。
たとえば、「文字列操作」や「ファイルの読み書き」「データベースアクセス」など、よく使われる機能がすでにJavaに組み込まれていて、それらをメソッドやクラスを通じて使えるようにしてあるのがJava APIです。

主な特徴

特徴内容
使用方法Javaコード内で直接呼び出す
java.util.ArrayListjava.io.File など
通信の必要なし(プログラム内だけで完結)
提供元Oracle(またはJavaの開発元)

Web APIとは?

Web APIの概要

Web APIは、インターネット経由で外部のサービスやデータにアクセスするためのAPIです。
例えば、天気情報を取得したり、地図データを表示したり、SNSに投稿したりする際に使われます。

主な特徴

特徴内容
使用方法HTTP通信(URLを使ったリクエスト)を通じて操作
Google Maps API、Twitter API、OpenWeather API など
通信の必要あり(外部サーバーとやりとり)
提供元各種Webサービス提供者(Google、Twitterなど)

共通点:なぜどちらも「API」?

2つとも「何かを簡単に使うためのインターフェース」であることに違いはありません。
つまり、「プログラムが他のプログラム機能を利用するための窓口」という点では完全に一致しています。

  • 抽象化されている(内部の複雑さを隠している)
  • 再利用性が高い(一度作ったAPIは繰り返し使える)
  • 開発効率が上がる(0から実装する必要がない)

相違点を表で整理!

項目Java APIWeb API
アクセス方法Javaコード内の関数やクラスHTTPリクエスト(GET/POSTなど)
通信の有無通信なし通信あり(インターネット経由)
提供元Javaの標準ライブラリWebサービス提供企業や団体
主な用途Javaアプリ内部の処理外部サービスとの連携やデータ取得
利用例ArrayList, HashMapなど天気API、SNS連携、決済APIなど

具体例で比較してみよう!

Java APIの場合(例:リストの操作)

import java.util.ArrayList;

ArrayList<String> list = new ArrayList<>();
list.add("りんご");
list.add("みかん");
System.out.println(list.get(0)); // 「りんご」が出力される

このコードは完全にローカルで完結しています。通信は発生していません。


Web APIの場合(例:天気情報の取得)

HttpURLConnection conn = (HttpURLConnection) new URL("https://api.weather.com/v1/tokyo").openConnection();
conn.setRequestMethod("GET");

このコードは外部の天気APIサーバーと通信して、東京の天気情報を取得しようとしています。


メリット・デメリットも比較!

項目Java APIのメリット・デメリットWeb APIのメリット・デメリット
メリット高速、安定、オフライン可、学習コストが低い外部データにアクセスできる、機能が豊富
デメリットネット外との連携が弱い、範囲が限定されている通信エラーのリスク、APIの仕様変更に影響を受けやすい

まとめ:どう使い分ける?

  • アプリの内部処理だけならJava APIで十分です。
  • 外部のサービスやデータと連携したい場合はWeb APIを使いましょう。

目的によって使い分けることで、より強力なアプリケーションを作ることができます!


今後の学習の指針

次のステップとしては、以下のような学習をおすすめします。

  1. Java APIを使ったアプリケーションを1つ作ってみる(電卓やToDoリストなど)
  2. Web APIを使って、天気やニュースを取得するミニアプリを作成してみる
  3. JSON(Web APIでよく使われるデータ形式)の扱い方を学ぶ
  4. Postmanなどのツールを使ってAPI通信のしくみを体験してみる

わからないことがあったら、どんどん質問してくださいね!

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投稿者プロフィール

山崎講師
山崎講師代表取締役
セイ・コンサルティング・グループ株式会社代表取締役。
岐阜県出身。
2000年創業、2004年会社設立。
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上。
すべての無駄を省いた費用対効果の高い「筋肉質」な研修を提供します!
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