今後の私の指針――崩れそうなときこそ、ゴールを見失わない
今回、第6章「崩れそうなシナリオをゴールに導く、局面突破法」を読んで、強く心に残ったことがあります。
それは、
「予定どおりに進まなくなったときに、その人の本当の営業力が表れる」
ということです。
営業では、最初に描いたシナリオどおりに商談が進むとは限りません。
「社内で、もう一度検討することになりまして……」
「予算が厳しくなりました」
「上司から待ったがかかっています」
「ほかの会社の提案も見てから決めたいと思います」
こんな言葉を聞いたら、どうでしょう?
私なら心の中で、
「おっと……雲行きが怪しくなってきたぞ(^^;)」
と思ってしまいそうです。
しかし、第6章を通じて考えたいのは、その先です。
シナリオが崩れ始めたからといって、ゴールまで消えてしまったわけではありません。
「何が予定と違ったのか?」
「どこで止まっているのか?」
「別の方法なら前へ進めないか?」
そうやって状況を捉え直し、次の一手を考える。
今後の私は、そんな「局面を突破する力」を意識して仕事に取り組みたいと思います。
「シナリオが崩れた」と「失敗した」は同じではない
まず私自身、覚えておきたいことがあります。
「予定が崩れたこと」と「目的を達成できないこと」は別の話だということです。
たとえば、駅へ向かって歩いている場面を想像してみてください。
いつも使っている道へ行ったら、道路工事で通行止めになっていました。
さて、どうしますか?
「いつもの道が通れない! もう駅には行けない!」
……とは、普通はなりませんよね(笑)。
一本隣の道へ回る。
別の交差点から向かう。
場合によってはバスを使う。
目的は「いつもの道を歩くこと」ではありません。
「駅へ到着すること」です。
営業も同じなのだと思います。
| 起きたこと | つい考えてしまうこと | 局面突破のための考え方 |
|---|---|---|
| 予算が足りない | もう購入してもらえない | 時期・規模・条件などを変更できないか |
| 上司の承認が取れない | 商談は失敗だ | 上司が判断するために不足している情報は何か |
| 競合他社も検討している | 他社に負けてしまう | お客様は何を基準に比較しているのか |
| 返事が来なくなった | 興味を失ったのだろう | 相手側で何が止まっているのか |
| 途中で条件が変わった | 最初の提案が使えない | 新しい条件に合わせて提案を組み直せないか |
こうして考えてみると、営業における局面突破とは、無理やり予定どおりに戻すことではありません。
ゴールを見失わず、そこへ到達するためのルートを柔軟に変更すること。
そんな考え方なのではないでしょうか。
「商談がうまくいかない」で終わらせない
今後、特に気をつけたいのが、問題を大きな塊のまま捉えないことです。
たとえば、
「商談がうまくいかない」
と考えているだけでは、何をすればよいのか分かりません。
そこで、もう一歩踏み込んでみます。
なぜ、うまくいっていないのでしょう?
価格でしょうか?
導入するタイミングでしょうか?
決裁者への説明が不足しているのでしょうか?
競合他社との差が伝わっていないのでしょうか?
それとも、お客様自身が「今、本当に必要なのか?」と迷っているのでしょうか?
このように、問題が起きている理由を掘り下げていくことを「原因分析」と呼びます。
原因分析とは、簡単に言えば、
「困っている」で終わらず、「なぜ困っているのか?」を細かく調べることです。
たとえば、家の照明がつかなくなったとします。
「電気がつかない! 家が壊れた!」
と考えたら大事件ですよね(^^;)
でも、調べてみたら単なる電球切れだった。
そんなこともあります。
営業でも、
「この案件はもうダメだ……」
と思っていたものの、詳しく話を聞いてみたら、
「部長へ説明する資料が一枚足りなかっただけ」
という場合があるかもしれません。
問題が大きく見えたときほど、細かく分解する。
そんな習慣を身につけたいと思います。
局面突破力は「押し切る力」ではない
「突破」という言葉から、少し強引な営業を想像する方もいらっしゃるかもしれません。
「もっと押せ!」
「なんとしてでも契約してもらえ!」
「あと一押しだ!」
しかし、私が第6章から学びたい「局面突破」は、そういうものではありません。
お客様が迷っているのに、
「お願いします!」
「今月中にぜひ!」
「そこをなんとか!」
と迫り続けたら……。
いやいや、ちょっと待ってくださいよ、と言いたくなりますよね(笑)。
大切なのは、相手を押し切ることではなく、相手が前へ進めない理由を理解することだと思います。
そのうえで、
「では、こんな方法ならいかがでしょう?」
と新しい選択肢を示す。
私は、そんな営業を目指したいと思います。
局面突破力を4つの力に分けて考えてみる
局面を突破するためには、どのような力が必要なのでしょうか?
私は次のように整理してみました。
局面突破力 = 観察力 + 質問力 + 仮説力 + 提案力
もう少しかみ砕いて表現すると、
局面を突破する力 = 状況をよく見る力 + 相手から事情を聞き出す力 + 原因や可能性を予測する力 + 次の選択肢を示す力
ということになります。
| 必要な力 | 意味 | たとえば |
|---|---|---|
| 観察力 | 状況の変化を捉える力 | 以前より相手の反応が鈍くなったことに気づく |
| 質問力 | 相手の事情や本音を聞き出す力 | 「どの点が一番気になっていますか?」と尋ねる |
| 仮説力 | 原因や可能性を予測する力 | 「決裁者への説明材料が不足しているのでは?」と考える |
| 提案力 | 次の選択肢を示す力 | 比較資料や別プランを提案する |
力任せに閉まった扉を押し続けるのではありません。
押しても開かないなら、
「あれ? ひょっとして引く扉では?」
と考えてみる(笑)。
あるいは、
「横に別の入口があるぞ!」
と気づく。
そんな柔軟さも、営業力の一つなのだと思います。
猫ちゃんに教えてもらう「局面突破法」🐈
ここで恒例の猫ちゃんです!
猫ちゃんが、どうしても入りたい部屋の前にいるとしましょう。
ところが、ドアが閉まっています。
人間なら、
「あ、閉まっている。入れないな」
と諦めるかもしれません。
ところが猫ちゃんは、なかなか諦めません。
まず、ドアの前で待つ。
開かなければ、
「ニャー!」
と人間を呼ぶ。
それでもダメなら、前足でカリカリ。
反応がなければ、別の入口がないかウロウロ。
そして最終的には、ドアの前に座り、
「開けてくれるまで、ここにいますけど?」
という顔をする(笑)。
いやぁ、なかなかの営業力です!
猫ちゃんの目的は一つ。
「向こう側へ行きたい」
しかし、そのための方法は一つではありません。
待つ。
鳴く。
前足で知らせる。
人間を動かす。
別ルートを探す。
猫ちゃんを見ていると、局面突破に必要な姿勢が見えてくる気がします。
「ゴールにはこだわる。でも、手段にはこだわりすぎない」
仕事でも、知らず知らずのうちに、
「この方法でなければダメだ」
「最初に決めた手順どおりでなければいけない」
と思い込んでいないでしょうか?
行き詰まったときこそ、猫ちゃんのように首をかしげて、
「ほかの入口はないかニャ?」
と考える柔軟さを持ちたいですね(^^)
今後の仕事では「次の一手」を考える
第6章を読んで、今後の私は、予定どおりに進まなくなったときに、すぐ「失敗」と判断しないようにしたいと思います。
焦って行動する前に、まず状況を整理する。
そのために、次の6つの質問を自分に投げかけてみます。
| 確認すること | 自分への質問 |
|---|---|
| ゴール | そもそも何を実現したかったのか? |
| 現状 | 予定と何が変わったのか? |
| 障害 | いま、前進を止めているものは何か? |
| 相手 | 相手は何に困り、何を不安に感じているのか? |
| 選択肢 | ほかの方法やルートはないか? |
| 行動 | いま自分にできる最も小さな一手は何か? |
特に大切にしたいのが、最後の質問です。
「いま自分にできる最も小さな一手は何か?」
局面突破というと、ドラマのような大逆転を想像してしまいます。
でも、実際の仕事では、そんな派手な行動ばかりではないでしょう。
一本メールを送る。
一つ質問してみる。
資料を一枚追加する。
別の担当者に相談してみる。
提案の条件を少し変える。
相手が判断しやすいよう、情報を整理して渡す。
そんな小さな一手によって、止まっていた物事が再び動き始めることがあります。
想定外の出来事を「営業力の練習問題」と考える
順調なときには、ある程度は誰でも前へ進めます。
本当の力が問われるのは、むしろ予定が崩れたときなのかもしれません。
想定外の質問をされた。
予算が変更された。
担当者が変わった。
強力な競合が現れた。
社内決裁が止まった。
そんな場面に出会ったとき、
「困った……」
だけで終わるのではなく、
「おっ、局面突破力を鍛える練習問題が来たぞ!」
くらいに考えられたら素敵ですね。
……とはいえ、本当にトラブルが起きている真っ最中なら、
「そんな余裕あるかーい!」
と自分で突っ込みたくなるかもしれません(笑)。
それでも、少し時間を置いてから、
「さて、本当の問題はどこだろう?」
と考え直すことはできます。
経験を重ねるとは、トラブルが起きなくなることではなく、トラブルが起きたときに使える選択肢が増えていくことなのかもしれません。
「うまくいかなかった商談」からも学びたい
今後の学習では、成功した営業事例だけを見るのではなく、途中で崩れかけた事例にも注目したいと思います。
なぜ止まったのか?
営業担当者は、どの変化に気づいたのか?
どんな質問をしたのか?
どんな仮説を立てたのか?
そして、どの一手によって再び商談が動き始めたのか?
成功した結果だけを見ていると、
「優秀な営業担当者だから売れた」
で終わってしまいます。
しかし、途中にあった「詰まり」と「突破」を観察すれば、自分でも応用できる知恵が見つかるはずです。
特に、うまくいかなかった事例は貴重です。
「失敗したから見たくない」ではなく、
「どこでシナリオが崩れ、どんな選択肢があったのだろう?」
と振り返ってみる。
失敗は、次の局面突破に使える「選択肢のストック」へ変えられるのだと思います。
まとめ――ゴールはしっかり、ルートはしなやかに
第6章「崩れそうなシナリオをゴールに導く、局面突破法」を通じて、私が今後の指針にしたいことは、「シナリオが崩れても、ゴールまで失われたわけではない」と考えることです。
予定どおりに進まなくなったら、まず状況を見る。
何が障害になっているのかを確認する。
大きく見える問題を細かく分解する。
相手の事情を聞く。
原因について仮説を立てる。
そして、別の選択肢を考えて、小さな一手を打ってみる。
局面突破とは、相手を力ずくで動かすことではありません。
相手と一緒に、前へ進める道を探すことです。
仕事でも人生でも、最初に描いたシナリオどおりに進むことばかりではありません。
むしろ、想定外の出来事のほうが多いかもしれません。
だからこそ私は、
「計画どおりに進められる人」だけではなく、「計画が崩れてもゴールを見失わない人」
を目指したいと思います。
そして、行き止まりにぶつかったときには、あの猫ちゃんを思い出したいですね🐈
ドアが開かなければ、鳴いてみる。
ダメなら待ってみる。
人間にお願いしてみる。
それでもダメなら、別の入口を探してみる。
目的は変えなくても、方法は変えていい。
そんな、猫ちゃんのようなしなやかさを持っていたいものです。
今後は、商談や仕事がうまく進まないときほど、
「さて、ほかの入口はどこだろう?」
と自分に問いかけます。
焦らず、諦めず、押しつけず。
ゴールはしっかり見る。
ルートは柔軟に変える。
そして、成功事例だけでなく、失敗や停滞からも「次に使える一手」を学び取る。
そんな姿勢を積み重ねながら、私自身の「シン・営業力」を一歩ずつ磨いていきたいと思います!(^^)
※本記事は『シン・営業力』を読んで、私自身が学んだ内容や感じたことを、自身の経験も交えながらまとめたものです。
参考文献・参考サイト
・天野眞也『シン・営業力』クロスメディア・パブリッシング、2022年。
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投稿者プロフィール

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セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
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