営業の成果は「話す力」ではなく「観察する力」だった!? 『シン・営業力』第2章から学ぶ「観察眼」の重要性
前回の記事では、『シン・営業力』(天野眞也著)の第1章を通して、「営業とは商品を売る仕事ではなく、相手を理解する仕事である」という営業の原理原則について学びました。
「営業は話し上手な人が成功する。」
以前の私は、そんなイメージを持っていました。
しかし、第1章を読んで、その考え方は大きく変わりました。
そして今回、第2章で取り上げられているテーマは「観察眼」です。
「観察眼」と聞くと、
「相手の表情を見ることかな?」
そんなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、本書を読み進めるうちに、「営業の成果は話す力ではなく、観察する力によって大きく変わるのではないか」と感じました。
今回は、第2章から学んだ「観察眼」について、営業だけではなく、コミュニケーションやマネジメント、キャリアコンサルティングにも共通する視点としてご紹介したいと思います(^^)
営業は「話す仕事」ではなく「見る仕事」?
営業というと、
・商品の説明をする
・プレゼンをする
・契約をいただく
そんなイメージがあります。
でも、少し考えてみてください。
病院で診察を受けるとき、先生が何も聞かずに薬を出したらどうでしょう?
「先生、まだ症状を話していませんよ!」
と、思わずツッコミを入れたくなりますよね(笑)
営業も同じです。
お客様が何に困っているのか。
どんな課題を抱えているのか。
何を期待しているのか。
そこを理解しないまま商品を紹介しても、お客様の心には届きません。
だからこそ、
まずは観察。
そして質問。
最後に提案。
この順番がとても大切なのだと感じました。
観察眼とは「背景を見る力」
「観察眼」という言葉は少し難しく聞こえますが、簡単に言えば、
「目の前にある事実だけではなく、その背景まで考える力」
です。
例えば、お客様が、
「今はちょっと忙しいので。」
と言われたとします。
その言葉だけを受け取れば、
「今日はタイミングが悪かった。」
で終わります。
しかし、観察眼を持つ人は、その一歩先を考えます。
本当に忙しいのかな?
他社と比較しているのかな?
何か不安があるのかな?
予算の問題かな?
同じ言葉でも、見える景色が変わってきます。
営業は、まるで探偵のような仕事なのかもしれませんね(^^)
競合を知って初めて、自社の強みが見えてくる
第2章で特に印象に残ったのが、
「競合他社と比較したときに、自社の強みを語れますか?」
という問いでした。
営業になると、自社の商品やサービスは一生懸命勉強します。
しかし、お客様は、自社だけを見ているわけではありません。
「A社も提案してくれています。」
「他社とも比較しています。」
そんな場面は珍しくありません。
そのとき、
「うちの商品は品質が良いです。」
だけでは、お客様の心は動きません。
必要なのは、
「競合と比べて、お客様にどのような価値を提供できるのか」
を説明できることです。
バリュープロポジションとは?
ここで登場するのが、「バリュープロポジション」という考え方です。
少し難しい言葉ですが、
「競合にはなく、自社だからこそ提供できる価値」
と言い換えると分かりやすいでしょう。
たとえば、ラーメン屋さんを選ぶ場面を想像してください。
味で選ぶ人。
値段で選ぶ人。
駅から近いから選ぶ人。
チャーシューが好きだから選ぶ人。
人によって「選ぶ理由」は違います。
営業でも同じです。
商品の特徴を説明するのではなく、「選ばれる理由」を伝えることが大切なのだと学びました。
「聞いてもいいのかな?」が成長のチャンス
今回、私が一番驚いたのは、
競合の情報をお客様に直接伺う
という考え方でした。
正直、
「そんなこと聞いていいの?」
と思いました。
でも、本書ではごく自然に質問されています。
「他社さんもご覧になっていますか?」
「比較して良いと思われた点はありますか?」
「逆に気になった点はありましたか?」
なるほど…。
勝手に想像するより、お客様に教えていただいた方が早いのですね。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」
そんなことわざがありますが、営業にもぴったりだと感じました(^^)
営業担当ランキングという考え方
もう一つ新鮮だったのが、
「営業担当ランキング」
という考え方です。
お客様の心の中には、
「この人なら相談しやすい。」
「この人は対応が早い。」
「この人は話をよく聞いてくれる。」
そんなランキングが自然とできているそうです。
考えてみると、私たちも同じですね。
美容院でも、
病院でも、
車のディーラーでも、
「この人にお願いしたい。」
と思える担当者がいます。
営業は商品だけで選ばれる時代ではありません。
「誰から買うか」
そんな時代になっていることを改めて感じました。
事例 同じ商品でも結果が変わる理由
コピー機を販売している二人の営業マンがいました。
Aさんは、
「毎分60枚印刷できます。」
「最新モデルです。」
と商品の説明をしました。
結果は、
「検討します。」
一方、Bさんは最初に質問しました。
「今、一番困っていることは何でしょうか?」
すると、
「紙詰まりが多くて仕事が止まるんです。」
という本音が返ってきました。
そこでBさんは、
「この機種なら紙詰まりが大幅に減ります。その結果、年間約100時間の業務改善が期待できます。」
と提案しました。
結果は契約。
違いは商品ではありません。
観察し、質問し、本当の困りごとを見つけたことでした。
にゃんこエピソード 猫は観察の達人!?
我が家の猫は、実は営業のプロかもしれません(=^・^=)
ご飯が欲しいからといって、いきなり「ニャーニャー」と鳴き続けることはありません。
まずは私の様子をじっと観察しています。
パソコンに向かっているときは少し離れた場所で待機。
電話中も静かに待っています。
ところが、仕事がひと区切りついて椅子から立ち上がった瞬間…。
「今だ!」
と言わんばかりに足元へ一直線(笑)
スリスリしながら、
「ニャー♪」
そのタイミングが絶妙なので、
「しょうがないなぁ。」
と言いながら、ご飯をあげたり遊んだりしてしまいます(^^)
猫は言葉を話せません。
だからこそ、相手をよく観察しています。
「今なら大丈夫。」
「今は忙しそうだから待とう。」
そんな空気を読む力は、人間より優れているのかもしれません。
営業も同じですね。
自分が話したいタイミングではなく、お客様が話を聞けるタイミングを見極める。
そんな観察眼が、信頼につながるのだと猫から教えられました(=^・^=)
私が第2章を読んで感じたこと
今回の第2章で特に印象に残ったのは、「競合他社と比較したときに、自社や自社製品の強み、つまりバリュープロポジションを明確に語れるか」という視点でした。
営業では、自社の商品やサービスを知ることはもちろん大切ですが、それだけでは十分ではありません。
競合との違いを理解し、お客様にとってどのような価値を提供できるのかを説明できてこそ、本当の提案につながるのだと感じました。
また、競合の情報をお客様に直接伺うという発想にも驚きました。
遠慮して想像するのではなく、素直に質問する姿勢が、より良い提案や信頼関係につながるという考え方は、とても印象的でした。
今後、意識して取り組みたいこと
・自分が話すよりも、お客様をよく観察すること。
・競合情報やお客様の本音は、素直に質問して教えていただくこと。
・「今できることは何か」「次のチャンスはないか」という視点を持って行動すること。
・「この人に相談したい」と思っていただける営業を目指すこと。
この4つを意識して取り組んでいきたいと思います。
営業力は、一日で身につくものではありません。
日々の観察。
小さな質問。
そして、一歩踏み出す行動。
その積み重ねが、少しずつ営業力を磨いてくれるのだと思います。
まとめ 観察する人が、お客様から選ばれる
『シン・営業力』第2章を読んで、営業は「話す力」よりも「観察する力」が成果を左右する仕事なのだと改めて感じました。
今回学んだポイントをまとめると、
✓ 営業は話す前に「観察する」ことが大切
✓ 競合を知ることで、自社の本当の強みが見えてくる
✓ バリュープロポジションとは「自社ならではの価値」
✓ 素直に質問することが新しい発見につながる
✓ お客様から「この人に相談したい」と思っていただける信頼づくりが大切
営業だけではなく、コミュニケーション、マネジメント、キャリアコンサルティング、人材育成など、人と関わるあらゆる仕事に共通する考え方ではないでしょうか。
私自身も、まずは今日から「観察する」「質問する」「行動する」の3つを意識しながら、一歩ずつ実践していきたいと思います。
皆さんも次の会話では、すぐに話し始める前に、相手の表情や言葉、周囲の状況を少しだけ観察してみてはいかがでしょうか?
今まで気づかなかった小さなサインが見えてくるかもしれません(^^)
次回は、第3章「戦略眼」を通して、「成果を生み出すための考え方」について、一緒に学んでいきたいと思います。
※本記事は『シン・営業力』を読んで、私自身が学んだ内容や感じたことを、自身の経験も交えながらまとめたものです。
参考文献・参考サイト
・天野眞也『シン・営業力』クロスメディア・パブリッシング、2022年。
・株式会社FAプロダクツ「『シン・営業力』発売リリース」
・JBpress Innovation Review「『シン・営業力』著者が語る、営業に欠かせない3要素」
・スターフィールド株式会社「営業の原理原則とは『シン・営業力』を読んで」
私たちセイ・コンサルティング・グループでは、営業や交渉に関する教育・研修も提供しております。
▶IT技術者のための営業力強化研修
▶IT技術者のためのネゴシエーション研修

私たちセイ・コンサルティング・グループでは、様々な学びを提供しております。
▶IT企業向け新人研修のおすすめ内容(2026)
▶おすすめの研修内容
投稿者プロフィール

-
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!




