『シン・営業力』第5章から学ぶ「営業フローのツボ」――商談は会う前から始まっている

前回は、『シン・営業力』(天野眞也著)の第4章から「情報力」について学びました。

情報を集める。集めた情報をつなげる。そして、お客様に役立つ形で情報を返していく。

そんな積み重ねによって、「情報を取りに行く営業」から「情報が集まってくる営業」へ変わっていく、というお話でした。

今回の第5章のテーマは、

「事前準備から商談までの営業フローのツボ」

です。

いよいよ、かなり実践的な内容になってきました!(^^)

営業というと、どうしても、

「商談で何を話すか」

「どう説明するか」

「どうすれば契約につながるか」

といった、商談中のテクニックに目が向きがちです。

しかし、第5章を読んで改めて感じたのは、

「商談は、会う前から始まっている」

ということでした。

相手を調べる。

何を確認したいのか整理する。

どんな話をするのか考える。

そして、その先にどんな流れを描くのか。

こうした準備が、実際の商談を大きく左右するのですね。

今回は第5章の内容をすべて紹介するのではなく、私自身が特に「仕事で使ってみたい!」と感じた部分を中心に考えてみます。

あまり詳しく書いてしまうと、本を読む楽しみを奪うネタバレになってしまいますので……すみません(^^;)

具体的な手法について興味を持たれた方は、ぜひ実際の本を手に取って確認してみてください。

営業は「商談だけ」が営業ではない

まず今回、改めて考えさせられたのが営業の「流れ」です。

商談だけを切り取るのではなく、もっと前から営業活動を考えてみる。

たとえば、

お客様との接点をつくる

アポイントにつなげる

事前準備をする

商談する

次の行動につなげる

というように、一つひとつがつながっています。

商談がうまくいかなかったとき、私たちは、

「もっと上手に話せればよかった」

と思ってしまいがちです。

でも、本当に話し方だけが原因なのでしょうか?

もしかすると、事前準備が足りなかったのかもしれません。

商談の目的が曖昧だったのかもしれません。

お客様について調べる情報が足りなかった可能性もあります。

そう考えると、「商談力=話術」ではないことが見えてきますね。

電話営業も「何のため?」から考える

電話営業が苦手な方も多いのではないでしょうか。

電話をかける前から、

「断られたらどうしよう……」

「迷惑だと思われないかな……」

と緊張してしまいますよね。

しかも電話一本で、

会社の説明をする。

商品の魅力を伝える。

相手の課題を聞く。

信頼してもらう。

アポイントまで取る。

……電話に働かせすぎです(笑)

そこで大切なのが、

「今回の行動の目的は何か?」

を明確にすることだと思います。

たとえば、電話の目的が次の接点をつくることなら、その場ですべてを説明する必要はありません。

映画の予告編に少し似ています。

予告編で最初から最後まで全部見せられたら、

「もう本編を見なくてもいいかな……」

となりますよね(^^;)

「もう少し聞いてみたい」

と思ってもらう。

目的を絞ることで、営業する側の気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。

商談前には「仮説」を持っておく

アポイントが取れたら、いよいよ商談。

……の前に、事前準備があります。

ここで重要なのが、

「仮説を持っておくこと」

だと思います。

仮説とは、簡単にいえば、

「今ある情報から考えると、もしかするとこうではないか?」

という予想です。

たとえば、ある会社で来年度の新入社員が大幅に増えるという情報があったとします。

そこから、

「教育担当者の負担が増えるのでは?」

「配属後のOJTに課題が出るのでは?」

と考えることができます。

仮説があれば、

「何かお困りですか?」

ではなく、

「新人が増えることで、現場の教育負担について何か懸念はありますか?」

と具体的に聞けます。

もちろん、仮説が外れることもあります。

商談で確認して修正すればよいのです。

「仮説=正解」ではなく、「会話を深めるためのスタート地点」と考えるとわかりやすいですね。

ヒアリングは「質問大会」にしない

営業では、ヒアリングが大切だと言われます。

ただし、質問すればするほど良いわけではありません。

「予算はいくらですか?」

「いつ実施しますか?」

「決裁者は誰ですか?」

「競合はいますか?」

「課題は何ですか?」

……。

商談というより、取り調べになってしまいます(笑)

前回の第4章で学んだ「情報力」が、ここでも活きてくるのだと思います。

こちらからも役立つ情報を出す。

お客様が話してくださる。

こちらが受け取る。

さらに話を広げる。

ヒアリングは「尋問」ではなく「キャッチボール」なのですね。

今回、私が特に気に入った「すごろく」の考え方

そして、第5章で私が特に気に入ったのが、「すごろく」のように流れを見せる考え方です。

本の中では、提案する内容などを流れとして整理し、お客様にも見てもらえるツールとして活用する考え方が紹介されています。

私はここを読んで、

「なるほど!これはわかりやすい!」

と思いました。

文章や口頭だけで説明されるよりも、スタートからゴールまでの流れが目で見えたほうが理解しやすいですよね。

たとえば旅行でも、

「明日は、いろいろな場所を観光します」

と言われるより、

出発

昼食

観光

ホテル

と見せてもらったほうが、

「なるほど、こういう一日なのね」

とイメージしやすくなります。

お客様への提案でも、同じように「この先どう進むのか」が見えることには大きな意味があるのだと思います。

なお、本書には具体的なツールや使い方が掲載されていますが、そこまで紹介してしまうとネタバレになってしまいますので、ここでは控えます。すみません(^^;)

私の記事で全部わかってしまったら、本を読む楽しみがなくなってしまいますからね(笑)

ぜひ本書で実物を見ていただきたいところです。

そこから私なりの「営業すごろく」も考えてみました

そして私は、本の「すごろく」の考え方を見ていて、別の使い方も思いつきました。

ここからは本に掲載されている内容ではなく、私が勝手に考えた応用です。

自分たちの営業活動そのものも、すごろくのように整理したら面白いのではないでしょうか。

たとえば、

問い合わせ

初回面談

課題を確認

提案

関係者との調整

最終確認

契約

というように、自分たちなりのマスを作ります。

そして案件ごとに、

「今は何マス目?」

「次のマスはどこ?」

「次へ進むためには何が必要?」

と考えてみる。

こうすれば、営業活動の現在地がわかりやすくなりそうです。

繰り返し使っていけば、

「いつもこのマスで止まるな」

「この段階で決裁者に会えている案件は進みやすいな」

といった傾向も見えてくるかもしれません。

本書のすごろくとは目的が異なりますが、「流れを見える化する」という発想を、自分の営業管理にも応用してみたいと思いました。

私は、この考え方がとても気に入りました!

今後は、本書で学んだ考え方を参考にしながら、自分なりの「営業すごろく」を作って、実際の仕事で進めていきたいと思います(^^)

実際に使いながら、

「このマスはいらないかな?」

「ここはもう少し細かく分けたほうがいいかな?」

「うちの場合は、この段階が重要だな」

などと改善していけば、自分たちの仕事に合った営業すごろくに育っていきそうです。

ただし、商談までサイコロ任せにはしません(笑)

にゃんこエピソード――猫もゴールまで一気には進まない!?

ここで恒例の、にゃんこエピソードです(=^・^=)

猫がおもちゃを狙っている場面を思い浮かべてください。

猫じゃらしが目の前を動いています。

すぐ飛びつくのかと思ったら……。

じーっ。

まず観察。

姿勢を低くします。

距離を測ります。

お尻をフリフリ。

さらにタイミングを見ます。

そして、

「今にゃ!」

バッ!

と飛びかかります。

にゃんこ、意外と事前準備が丁寧です(笑)

観察する。

距離を測る。

タイミングを考える。

そして行動する。

営業にも似ていますよね。

おやつが欲しい猫はさらに戦略的!?

おやつが欲しいときの猫を見ていると、さらに面白いです。

まず、飼い主の近くへ行く。

足元をスリスリする。

かわいい顔で見上げる。

「ニャーン」と鳴く。

飼い主が立ち上がったら、おやつの置き場所へ先回り!

いきなりおやつに飛びつくのではなく、相手の反応を見ながら少しずつゴールへ近づいています。

ん?

にゃんこも「すごろく」をやっている!?(笑)

営業でも、相手の状況を無視して一気にゴールへ進もうとするのではなく、一つひとつ丁寧に進めることが大切なのでしょう。

にゃんこ先生、今回も勉強になります(=^・^=)

商談前に確認したい5つのこと

今回の学びを実際の仕事に活かすなら、まず商談前に次の5つを確認するところから始めてもよさそうです。

確認項目自分への質問
相手今日は誰と会うのか?
目的何のために会うのか?
仮説相手は何に困っていそうか?
提供価値相手に何を持ち帰ってもらえるか?
次の一歩商談後、どんな状態になっていたいか?

たった5つでも、何も考えずに商談へ向かうのとは大きく違います。

特に、

「商談が終わったとき、どうなっていれば成功なのか?」

を考えておくことは、ぜひ習慣にしたいですね。

第5章から学んだことをまとめてみましょう

今回の学びを、仕事でどう活かすのか整理してみました。

今回の学び仕事で意識したいこと
営業には流れがある商談だけでなく、その前後まで考える
目的を明確にする電話や商談で何を目指すのか決める
事前準備をする相手について調べ、仮説を持つ
ヒアリングは会話質問だけでなく情報も提供する
流れを見える化するお客様にも理解しやすい形を考える
自分なりに応用する学んだ考え方を自分の仕事に置き換える

さいごに――本から学んだことを、自分の仕事の形にしてみる

今回の第5章で私が特に印象に残ったのは、「流れを見えるようにする」という考え方でした。

営業というと、つい目の前の商談だけを見てしまいます。

しかし、その前には準備があります。

その後には次の行動があります。

そして最終的なゴールまで、いくつもの段階があります。

その流れを自分自身が理解していること。

そして必要に応じて、お客様にもわかりやすく見せること。

そんな工夫が営業活動を変えてくれるのかもしれません。

特に「すごろく」の発想は、私自身かなり気に入りました!

本書で紹介されているものをそのまま真似するだけではなく、そこからヒントをいただいて、

「自分の仕事なら、どう使えるだろう?」

と考えてみる。

私はまず、自分なりの「営業すごろく」を作ってみたいと思います。

そして実際の案件を当てはめながら、

「今どこにいる?」

「次はどこへ進む?」

「そのためには何が必要?」

と考えてみたいと思います。

本当は、本書に掲載されている具体的な方法について、もっと書きたいところです。

「ここも面白かった!」

「この方法も紹介したい!」

と言いたくなるのですが……。

そこまで書いてしまうとネタバレになってしまいますので、すみません(^^;)

続きはぜひ『シン・営業力』を実際に読んで確かめてみてください。

そして大切なのは、読んで「なるほど」で終わらせないことなのでしょう。

一つでも自分の仕事に置き換えて試してみる。

うまくいかなければ修正する。

そして、また一歩進む。

にゃんこのように、じーっと状況を見ながら、タイミングを考えて……。

「今にゃ!」

と一歩前へ(笑)

そんなふうに、第5章で学んだことを少しずつ実践していきたいですね!(=^・^=)

※本記事は『シン・営業力』を読んで、私自身が学んだ内容や感じたことを、自身の経験も交えながらまとめたものです。

参考文献・参考サイト

・天野眞也『シン・営業力』クロスメディア・パブリッシング、2022年。

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投稿者プロフィール

田渕講師
田渕講師
セイ・コンサルティング・グループ株式会社専務取締役
IT企業向け人材育成研修歴業界歴20年以上
キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
アンガーマネジメントファシリテーター、コンサルタント
ハッピーな人生を送る秘訣は「何事も楽しむ!」ことにあり。
一期一会を大切に、そして楽しく笑顔になる研修をミッションに!